「日本オープン」開催を機にエリア活性化を目指す ~玄海GC
今年だけで3度、コースを訪れているというJGAのアドバイスを受け、松林の下枝を伐採、ティイングエリアやグリーンといった観戦スポットの周辺に広いスペースを取るなど、トーナメント仕様への改造も進んでいる。まずは2026年の「日本シニアオープン」に向けて、万全の準備を行い、新たに課題が見つかれば、そこに対処していく方針だ。
コースだけではなく、クラブハウスも大胆にリニューアルされた。画期的なのはフロントを排し、受付を含めて、自動精算機に一本化したことだろう。「メンバーの中には『無機質なのは嫌だ』という意見もありましたが、精算機の周辺にはスタッフが常にいるので、その心配はありませんと説明しました。カウンターの中にいるよりも、お客さんとコミュニケーションを取れるようにフロントをなくしたんです」。人員削減のための機械化ではないのがポイント。「部屋があると、どうしてもこもってしまう」とマスター室もなくし、テーブルだけのシンプルな形にした。60年の歴史を持つコースだが、現在の取り組みは革新的だ。
「日本オープン」開催により、全国的な知名度を上げることはもちろんだが、平支配人はさらにその先を見据えている。「福岡では芥屋GCを筆頭に博多から西のエリアのコースの人気が高く、東は古賀GCまで。玄海を含めて、さらに東にもゴルフ場がいくつもあります。トーナメント開催をきっかけに我々だけでなく、このエリア全体で盛り上がっていけたらと考えています」。スタッフが自らの手で改修に携わったコースで「日本オープン」が行われるのは5年後。日本のトップ選手たちが最高のプレーを披露することが、その先に繋がっていく。