銀座の進化形中華「レンゲ エキュリオシティ」のシェフが家族を連れて行くお気に入りの店4軒
料理で大切と感じるのは「普遍性」
西岡氏が修業を積んだのは、新宿御苑にある上海料理の名店「シェフス」。創業者の故・王恵仁氏による、食材そのものの繊細な味を大切にする“引き算の料理”は、新たな中国料理の境地を開き、西岡氏をはじめ数々の名シェフを輩出してきたことでも知られている。
中国料理にとどまらず、スペイン料理、イタリア料理、和食の修業を重ね、幅広いジャンルの知見を深め自身の料理に生かす西岡氏。「師匠は上海の出身で、師匠が生きていた時代の上海は、さまざまな国の料理やものに対してとてもオープンだったと聞いています。その影響を受け、中国料理の枠を超え、素材で食べさせる料理や地方で変わってくる料理などを学びました」
そんな西岡氏が目指す料理は「普遍性」だ。「料理名は時間軸でとらえれば一瞬のもの。そういうものではなくて、例えばフェラン(料理界に革命をもたらしたとされるスペイン人シェフ)が見つけたタイムと柑橘など、誰かが発見した組み合わせが100年経っても残っているような、普遍的なものを見つけられたらという思いで料理をしています」
西岡氏は続ける。「普遍性が大事と感じていても、時代で人の味覚も変わりますし、肉などの食材も変わっていきます。中でも、糖度の上昇など野菜の進化は目覚ましく、同じ野菜でも昔からある野菜を今食べると、おいしくないと感じることも。そういうことを考えると、自分が思っている『普遍性』を追求することはとても難しいかもしれません。でも、そこをきちんと考えておきたいですね」
限られた時間、料理のアイデアが浮かぶのはレム睡眠
シェフとしてうれしいと感じることは、との問いに「プロならおいしいものを作るのは当たり前で、何らかのフックがあって、それをお客様が選んでいます。2回目の予約が入ったときは、本当に気に入ってくれたのだとうれしく思います」と西岡氏。
続けて「実際にメニュー化するかは別として、食材の組み合わせなど新しい料理のアイデアが生まれたとき、自分の頭の中で考えたことを具現化しようとするときが、一番うれしいときかもしれません」と話してくれた。