「山場となるのは第36節」残り4節となったJ1リーグ優勝争いのポイントを福西崇史が解説
■山場は第36節 ラスト2試合までをどう乗り切るか ――日程面のポイントをふまえて、山場となるのはどこだと思いますか? 福西 山場は第36節だと思います。まだどこも勝ち続けなければいけないという状況ですが、36節の結果でよりそれぞれの状況がはっきりとしますよね。 ――36節では広島はACLでアウェイのシドニー戦を戦ったあとのアウェイ浦和戦です。 福西 正直、浦和のチーム状況は良いとは言えないですが、広島戦で敗れたらまだなにがあるかわからないポジションです。そうなれば当然、浦和のモチベーションは高いし、なにより浦和サポーターの後押しを受ける埼玉スタジアムで簡単な試合はありませんからね。 ――神戸はホームでACLの光州FC戦をを戦ってアウェイの東京ヴェルディ戦になります。 福西 東京Vは後半戦になって好調で、神戸にとっては簡単な相手ではないですよね。前回対戦はホームで負けてもいるし。東京Vは接戦をものにできるしぶといチームになってきているので、かなりタフな試合になるでしょうね。 ――そして町田は直近5試合で4勝1分と負けなしで好調のF東京です。 福西 F東京は前節神戸に勝っていますからね。直近で勝った試合はどれも複数得点で、少ないチャンスをものにできるチームになっているので、守備の固い町田といっても非常に厄介だと思います。 ――最後に、優勝にもっとも近いのはどこになるでしょうか。 福西 それは広島ですね。現在首位なので当然ですが、神戸は天皇杯決勝とかちょっとピリピリした試合が多すぎるし、日程が詰まり過ぎているのでコンディション調整は相当難しいと思います。広島もその難しさはありますが、チームの総合力も考えるとやや有利かなと思います。町田は残り全勝を前提に上が少なくとも2つは落とさないとひっくり返らないので、祈るしかない状況ですね。 それでも今季のJ1は、前節広島が湘南に負けたようになにがあるかわからない。優勝争いでは消極的になった瞬間にチームは勢いを失うので、最後までどこが積極性を失わず、駆け抜けてシャーレを手にするか、注目したいと思います。 構成/篠 幸彦 撮影/鈴木大喜