「ディオール」の“闘うお嬢”にキュン、「サンローラン」のシースルーに物議 2024-25年秋冬パリコレ取材24時Vol.1
そして、そんな職人との仕事について、「自分がモノ作りを続けていく中でもたくさんの問題や課題はあるけれど、ユニークなアイデアや柔軟な手法でそこに向き合っている職人さんたちに出会えることが本当に幸せ。そこから新しいものをどう作っていけるかというのが、この仕事の喜びだと毎シーズン感じます」と黒河内さん。その思いが形になったコレクションには、職人へのリスペクトを感じます。
また今回の音楽は、今年度のベネチア・ビエンナーレの日本館代表にも選ばれている現代美術家の毛利悠子さんが手掛けたもの。特殊なプログラミングによって、黒河内さんが佐賀の窯焚きを訪れた際に撮りためた環境音をトレースしてピアノ音へと変換した楽曲は、フィナーレの動画でお楽しみください!
14:30 「ディオール」
さあ、「ディオール(DIOR)」です。ショーもセレブも情報量が多いから、気合注入!チュイルリー公園内の仮設テント前はライブ会場並みの混雑。人混みをかき分けて会場に入ると早速、日本から来ている山下智久さんと会えました。「昨日はギャラリーでムッシュ・ディオールについて学んだ。一つのドレスに込めたストーリーや情熱を学んだのでそれを感じられるようにショーを見たい」とコメント。そう、ほんとそこがショーを見る楽しみですよね。山下さんや新木優子さんのコメントは「WWDJAPAN」のインスタグラムに投稿しているのでぜひチェックしてください。
ウォーリアーズ。解放のための女性戦士。今季のショーを一言でまとめるならそうなるでしょう。解放は2つを意味します。一つは、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が就任当時から訴え続けているフェミニズム、女性の能力の正当な評価と古い価値観からの解放です。そのメッセージは、壁に飾られた勇ましい戦士のような女性たちの姿からダイレクトに伝わってきます。もう一つは1960年代、オートクチュールから既製服への移行が象徴するファッションの民主化、解放です。いずれもマリア・グラツィアが得意とするテーマだけに力強いショーとなりました。