「ディオール」の“闘うお嬢”にキュン、「サンローラン」のシースルーに物議 2024-25年秋冬パリコレ取材24時Vol.1
会場の中央に飾られたのは、インドのマルチメディア アーティスト、シャクンタラ・クルカーニによる「竹の鎧」の作品群です。「女性の身体をどのように見るのか」に焦点を当てたそうですが、身体を保護するはずの鎧が女性の身体を拘束するという矛盾が我々に「思考停止するな、考えて行動せよ」と課題を突きつけます。
インスピレーションは、女性活躍のパイオニア的存在でアーティストのガブリエラ・クレスピ。そして、1967年に誕生した「ミス ディオール」です。当時のデザイナー、マルク・ボアン(Marc Bohan)が彼のアシスタントであるフィリッペ・ギブルジェに託したプレタポルテフのコレクションです。「ミス ディオール」へのオマージュです。「当時のファッションにおける挑戦は、再生産可能なドレスを制作することであり、イマジネーションが最重視されていた時代に、生活のペースに適したドレスを生み出すこと」だったそうです。
「Miss Dior」と大胆に文字を乗せたAラインのスカートや、ベルトを締めて着るトレンチコート、アクセントとなるスカーフ使いはBGMで流れたセルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのデュエット「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」がぴたりとハマる1960年調です。マリア・グラツィアが描く解放的な女性たちは、解放という言葉から連想する前衛的なものではなく、あくまで上品。でも芯は強く曲げない。来場したBLACKPINKのジスのお嬢様的佇まい(今季は髪にリボンをたくさん飾っていました)が似合うのもそれだからなのでしょう。
17:00 「アンリアレイジ」
パリの観光名所の一つ、アレクサンドル3世橋の袂に続々と集まる人たちの頭には、な、なんと、「ドラえもん」のタケコプタ~。のヘアバンド。パリの景色に実に映えます。22世紀の猫型ロボット「ドラえもん」とのコラボで発表した「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のテーマは「オブジェ」です。