ABEMAツアー賞金王・生源寺龍憲が目指すところ 「ひとつでも上のフィールドで戦いたい」
パーオン率とトータルドライビングが武器
3勝目ができなかったとはいえ、ABEMAツアー賞金王の資格で24年シーズンはレギュラーツアーで1年間戦える、いわゆる“裏シード”は確保できた。「人生設計ではないんですが、計画としては1年早まった感じですね。23年シーズンはまずABEMAツアーで20位以内に入って、24年シーズン前半戦のレギュラーツアーに参戦して、25年からレギュラーツアーで1年間戦うって感じだったので」。計画としては早まったものの、レギュラーツアーで優勝争いをしていくためには、長所を伸ばしていくことが近道と考えているようで、「スタッツでいえば自分はパーオン率とトータルドライビング(平均飛距離とフェアウェイキープ率の順位を足した数値で少ないほうが良い)が武器なんです。24年シーズンのレギュラーツアーでは平均飛距離が295Y、フェアウェイキープ率が60%以上を目標にトレーニングしていきたいですね。もちろん、もっと飛ばしたいんですが、ただ飛ばすだけなら、飛ばしのテクニックを入れればなんとかなるんですが、コントロールした中で飛ばしたい。考え方としては正確性が先で、次に飛距離です」。ちなみに、生源寺が目標としている数値を23年シーズンに当てはめると、平均飛距離25位の安本大祐が294.91Y、フェアウェイキープ率26位の大槻智春が59.969%なのでトータルドライビングが51になる。この数値は23年シーズン賞金王でトータルドライビングが52の中島啓太を抜いて2位になる計算だ。 ここまでは自身の感覚で話してもらったが、23年シーズンのスタッツで22年シーズンより明らかに向上したパッティングについて話を振ってみた。「まず、シーズン前にしっかりパターフィッティングをして、どのモデルが自分にとって一番再現性が高く、タッチコントロールができているかがわかったのは大きいと思います。その結果、ショートパットが決まるようになりましたね。ちなみに、ラインの読みも研究はしているんですけど、上手くいったりいかなかったり(笑)。あとはセカンドショットやサードショットでパーオンしたときのショットの精度が上がって、カップまでの距離が短くなったのではないかと。パッティングのスタッツが63位から11位に上がったというのは、実はパッティング技術の向上というだけではなく、ティーショットで飛距離が出るようになり、その結果、短い番手でグリーンが狙えるという流れがこのスタッツになったんだと思います。もともとドライバーが曲がる方ではなかったんですが、ウィークポイントが飛距離で飛距離が出せないからチャンスが少ないと分析したんです。だからそこに対して、スウィング改造ではなく、フィジカル、とくにお尻のパワーをアップするトレーニングが上手くいったんだと思います」。