岩井千怜が大会2連覇で2年連続〝母の日V〟 ピンクのレインウエアで逃げ切り/国内女子ゴルフ
RKB×三井松島レディス最終日(12日、福岡CC和白C=6305ヤード、パー72)トップに並んで出た岩井千怜(21)=Honda=が6バーディー、1ボギーの67で回り、通算12アンダーで大会2連覇を達成した。3月の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」以来の今季2勝目で通算6勝目。年間ポイントランキングで首位に立った。大会は悪天候のため決勝ラウンドに進んだ59人をさらに絞り込むセカンドカットを実施し、27位までの36人で最終ラウンドを行った。 雨の中のプレーでも、最初から最後まで自分のリズムを崩さなかった。最終18番(パー5)。ピン右80センチにつけたバーディーパットを沈めた岩井千が、初めて表情を緩めた。右手を力強く握り締め、両手を挙げてバンザイ。自身初の大会連覇を、母・恵美子さんに贈る2年連続の〝母の日V〟で達成した21歳に、緊張から解放された笑みが広がった。 「ミスをすれば状況が変わる展開だったので、油断できないと思っていた。元気ハツラツが自分のゴルフだけど、きょうは結構、真剣な顔でやっていました。勝ててホッとしています」 山下美夢有、佐久間朱莉とともに首位で出た最終組。流れをつかんだのは岩井千だった。2番(パー3)で4メートルを沈め、4番(パー5)からは2連続バーディー。2打目が15メートル以上の打ち上げとなる9番(パー4)は、グリーン奥ラフからピンまで9ヤードの3打目をチップインバーディー。「グリーンを外したときのアプローチが去年より成長したところ。9番もイメージ通りでした」と胸を張った。 1つ前の組とは序盤で1ホール以上も間隔があいた。競技委員からイエローカードも最終組に出た。だが、「焦りはなかった」とマイペースを貫いた。昨年は双子の姉・明愛、山下との三つどもえのプレーオフを制し、今年は2年連続女王の山下を撃破する逃げ切りV。明愛と相談し、母の日ウイークに合わせて毎日、ピンクを取り入れたコーデで戦い、この日は上下ピンクのレインウエアで雨中の18ホールを回った。 「母への感謝の気持ち、勝ちたいという思いが優勝につながったと思う。母がいると落ち着く。応援に来てくれるとすごくうれしい気持ちになります」
ポイントランクは今季初優勝した開幕戦以来、10試合ぶりにトップに立った。4分の1が終わったばかりの長丁場のシーズン。「一試合一試合、自分のゴルフをやって結果的に1位になれたらうれしい」。プロ4年目、女王の座に就く機は熟してきた。(臼杵孝志)