目標は大学での「全米優勝」 新たな舞台で躍進誓う スタンフォード大進学の佐々木麟太郎
9月下旬にアメリカのスタンフォード大に入学する佐々木麟太郎(花巻東高)が9月9日、岩手県花巻市内で一時帰国中の自主練習を報道陣に公開した。練習後の取材で、現在の目標は大学での「全米優勝」と語り、「チームに入った以上、戦力として貢献することが一番大事。勉強と野球を両立して、ひたすら食らいついていくだけ」と新たな舞台での躍進を誓った。 【選手データ】佐々木麟太郎 プロフィール・通算成績・試合速報
挑戦の歩みを着実に進める若きスラッガー
佐々木は高校卒業後、3月下旬に渡米し、同大の寮で生活した。正式入学に先立ち、授業や野球部の練習に参加。6~7月には、プロ入りを目指す大学生らが出場するサマーリーグ(MLBドラフトリーグ、アパラチアンリーグ)に参加して経験を積んだ。 花巻東高女子野球部の主将を務めた妹・秋羽(しゅう)さんが全国高校女子硬式野球選手権の決勝(8月3日、甲子園)を戦うのに合わせて一時帰国し、夏の甲子園大会の男子野球部の後輩たちの試合も観戦した。「花巻東だけじゃなく、男女ともに高校野球からすごく刺激をもらった」と充実の表情。今後は、9月中に再渡米し、大学生活をスタートさせる。 9日、佐々木は母校の花巻東高に隣接する花巻球場で、同校野球部の3年生らの補助を受けながら、ノックや打撃練習で汗を流した。挑戦の歩みを着実に進める若きスラッガーの練習公開に、25社44人の報道陣が詰めかけた。
打撃練習では、サマーリーグで使った木製バットと、大学野球のシーズン中に使う低反発の金属バットで計46スイング。木製バットでは29スイング中14本で柵越え、うち7本は場外まで飛ばし、パワーを印象付けた。「高校時代と比べたら、また一つ段階としても上がってきている部分もあるなと思う。あとはこれから戻る上で、上げていきたい」と感覚を口にした。 サマーリーグなどを通してアメリカの野球の雰囲気も体感し、現在の目標をはっきりと見据える。 「全米の大学のワールドシリーズ優勝。スタンフォードのエスカー(デービット・エスカー)監督も今年に懸ける思いが強く、大学を決める前からお話を頂いていたので、そこに懸ける思いはある。何千とある大学の中から一つという、すごく厳しい世界であるのは間違いない」
メジャー・リーグや日本のプロ野球への思いについては、「今の段階では両方の指名を頂けるチャンスはある」とした上で、「まだまだ自分自身、そういう選手だとは思っていない。そこにまず段階を踏めるような選手として、また見ていただけるように頑張っていきたい」と語る。 その上で「全て、大学で結果を残さないと始まらないこと。もちろん先の目標も、自分自身も夢とかそういう部分は持っている。ただ、長期的に見ていくものと目先大事にしていくものはあるので、両方大事いしながら、まずは来年のシーズン」と前を見据えた。 文・写真=相原礼以奈
週刊ベースボール