「HSPの妻と離婚したい!僕は冷酷ですか?」結婚後に「繊細さん」を告白してきた妻に「人生設計」を狂わされた夫の葛藤
クリスマスやお正月など、夫婦や家族水入らずで過ごす時間が増えがちな年末年始だが、意外にもこの時期に離婚を決断する夫婦は少なくないという。危機管理コンサルタントは、年末年始に「離婚」を考える人の心理についてこう話す。 この記事の他の画像を見る 「年末年始は、過ぎた1年を振り返って、新たな1年に思いをはせる時期。そのため、日頃から問題を抱えていた夫婦が、年明け一気に離婚に向けて動き出すというケースは意外と多いようです。 『新しい年は新たな気分で迎えたい』という思いから、常々考えていたことを正月に実行したくなるのは『人間の性」なのかもしれませんが、夫婦に関する決断は、相手の気持ちにも十分配慮しながら焦らず進めていきたいものですね」 ・・・・・・・・・・ 今回お話を聞いたのは、結婚2年目にして妻との離婚を検討しているという30代男性。離婚を考え始めたのは、妻からある「心の傾向」を告白されたことがきっかけなのだそう。一体どういうことなのか? 「結婚して2年も経たないで別れるなんて早すぎるとは思うけど、少しでも相手の傷が浅くて済むよう、できるだけ早く離婚した方がいいのかなと思って」 こう話すのは、35歳の宇都宮みなとさん(仮名)。人口100万人超の地方都市で妻と2人暮らしをする会社員だ。 「妻とはSNSで知り合いました。好きなアニメが一緒で、気づいたらお互いの投稿にコメントをするようになり、そのうちダイレクトメールで2人だけで会話することが増えたんです。でも、2年間くらいはただのフォロワー関係でしたね」 おっとりとした癒し系の雰囲気を持っていた妻は現在、みなとさんよりも3歳年下の32歳。地元の中小企業でOLをしながら、趣味のアニメを楽しんでいたという。 「私と妻が好きなアニメは登場するキャラが凄く多いのですが、たまたま推しが同じだったので『運命』を感じましたね」 妻はみなとさんに慣れてくると、最初のおとなしい印象とはうって変わって、非常によく話すようになった。 「人見知りな所はあるけど、『安心して話せる相手だな』と思うことができれば急にスイッチが入るようです」 2人は1年ほどの交際期間を経て入籍した。 「新婚旅行はお互いの共通の趣味であるアニメの『聖地巡礼』に出かけました。めちゃくちゃ楽しかったです。旅行中は、趣味の話はもちろんですが、2人の家を建てるならどんな家を建てたいかの妄想トークがはずみました。趣味部屋を作ろうって話で盛り上がって」 家のテーマカラーや、趣味部屋のインテリアなどを相談するうち、みなとさんは夫婦でマイホームを建てることが本当に楽しみになってきた。 「妻は四大卒業後、約10年間同じ会社に勤務していたし、私もすでに10年以上勤めていたので、ペアローンの審査にも通りやすいのではないかなと期待していました」 年収に自信がないみなとさんは、地元で有名な企業に勤務する妻に、経済的なパートナーとしても期待をかけていた。夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」を選べば、マイホーム建設も夢ではないように思えたのだそう。 「でも、新婚旅行から帰ってきて、『さあお互いにまた日常に戻らなきゃね』って話した直後、妻は突然ある告白をしてきました」 自分は「HSP」で傷つきやすいので、今後は在宅ワークをしたい、と妻は言い出した。外で働くには「繊細すぎる」のだという。 「今までずっと耐え忍んで会社勤めをしていたけど、私と生活しているととても安心できると。もう苦しい外の世界には戻りたくない。家の中で安心して過ごしたいと言うんです。え、ちょっと待って…と思いましたね」 HSP(Highly Sensitive Person)については、名前くらいは聞いたことがあったが、全く詳しくはなかった、とみなとさん。HSPとは、生まれつき感受性や五感が敏感で、一般的な人よりも傷つきやすく疲れやすい人のことをいう。 「繊細さん、と言われていますよね。私はどちらかというと、『人間、誰だって繊細じゃね?』と思う方なので、自分で自分のことを人一倍繊細とか言える人にちょっと引いちゃって」 告白後、妻は「繊細すぎる自分」を見せ始めたが、みなとさんは、告白前の妻からは想像もできなかったその違いに、大変戸惑った。 「朝、『まぶしすぎる』と言って、リビングの遮光カーテンを開けることを拒むようになりました。強い光が苦手なんだそうです」 まぶしいとどうなるの?と聞くと… 「『自分でもわからないけど、気分が落ちる』と言って、うつろな目になるんです。なんでもっと早く言わなかったんだよ…と思っちゃいましたよね」 HSPであると打ち明けられ、「自分に何をしてあげられるのか」と考えると同時に、みなとさんは妻に対して急に「煩わしさ」を覚えるようになってしまったという。 しかし、妻はその告白をきっかけに、みなとさんの愛情を試すような言動を繰り返すようになった。そんななか、まだはっきりとした意思ではなかったが、みなとさんの頭の片隅にぼんやり浮かぶようになったのが「離婚」の二文字。みなとさん夫妻はこの後どうなってしまうのか。HSPの妻を持ったみなとさんの苦労と、その後みなとさん夫婦を襲った危機については、記事後編にて詳述する。 ※この記事は取材に基づいていますが、取材対象者保護の観点から必要に応じて編集を加えておりますことをご理解ください。 取材・文/中小林亜紀 PHOTO:Getty Images
【関連記事】
- 【後編はこちら】妻が突然「繊細すぎるからもう外で働けない!」。30代夫の夢を次々くじくHSP妻からの細かな要望
- 「キレイな死に顔でしょ…だと!?」祖母の遺体をSNSにアップする義姉に激怒!ネットにアップして「 いい 」と「 悪い 」の判断がつかないヤバすぎる大人たち
- 「やったー!『123万円の壁』ならディズニー1回増やせるわ!だと?」お気楽パート主婦にイラつく「シングルマザー」が感じた税制改正の「不公平感」とは
- 「どうしても子供が欲しくて…」20年連れ添った夫の不倫。不妊治療の果てに40代妻が見た「産めない女」の現実。ときに人生を狂わせる妊娠という奇跡の「 正体 」とは
- 「 中古ベンツ買うのは貧乏人 」義母になじられる専業妻の苦悩。「新車以外の高級車はただの見栄っ張り」に反論できない深刻なワケ