中国EV普及で新たな競争 15万円“格安”自動運転システムも登場【WBSクロス】
WBSクロス、今回のテーマは中国の電気自動車(EV)の“知能化”です。現在中国は販売台数で世界一のEV市場となっています。中国のEVメーカーはどのような戦略で戦っているのでしょうか。 4日まで開かれていた「北京国際モーターショー」。国内外からおよそ1500社が集結し、117の新モデルが披露されました。中国市場のEV販売で海外製に先行する中国勢は高級EVで差別化を狙います。 そのキーワードが“知能化”。人工知能の活用などで付加価値をつける戦略です。中でもモーターショーで存在感を示していたのが 「自動車メーカーのブースがあるホールから外に出ると、小さな建物がずらっと並んでいます。実はこれらはサプライヤー、自動車の部品メーカーになります」(上海支局の菅野陽平記者) こちらは巨大テック企業の「ファーウェイ」。EVのパワーユニットや制御装置といった、走りを支えるコア技術から、社内シアターまで展示しています。 ファーウェイはアメリカの禁輸措置の対象となった2019年に生き残りをかけて自動車事業に参入したのですが、今では部品供給にとどまらず複数のブランドと組んでEVを発表するまでに事業を拡大しています。 部品などを供給するサプライヤーの中に、意外な会社もありました。ドローンで世界トップの「DJI」の看板です。この会社が手がけるのが自動車向けの自動運転システム。ドローンの衝突回避技術のノウハウを応用しました。 「7000元(約15万円)のハードウェアで市街地で自動運転できるようになる。どのメーカーの車にも搭載可能だ」(「DJIオートモーティブ」ブランド&マーケティング責任者の謝闐地さん) リーズナブルな価格のこのシステムを使えば、メーカーなどは日本円にして15万円の費用で高速道路でも市街地でも自動運転できる機能を自社の車に搭載できます。ライバル製品と比べ、数分の1の費用だと言います。