<頂点へ・センバツ山梨学院>軌跡/上 5連覇、途切れた夏 富士学苑戦 接戦に「ゆるみ」、悔い残る /山梨
第94回選抜高校野球大会に出場を決めた山梨学院。選手らがそろって「忘れられない試合」と話すのは、大会5連覇に挑んだ昨夏の県大会準決勝での一戦だ。甲子園出場経験はないものの、春の県大会優勝の駿台甲府を準々決勝で撃破した富士学苑との対戦は、終盤までもつれる接戦となった。 同点で迎えた最終回に2点を奪われて2―4とされるとその裏、一死満塁と一打サヨナラのチャンスを迎えたが、三塁走者がけん制死。さらに遊ゴロで一塁走者が二塁でアウトになり試合終了。準決勝敗退で、夏の甲子園出場と、大会5連覇の夢は途切れた。 試合では1、2年生7人が先発メンバーとして出場。「自分たちが連覇を止め、3年生の夏をつぶした」と悔いが残った。1番を打っていた相沢(2年)は「守備での暴投や、走塁のミスで自分たちから崩れた試合だった」と振り返る。エースとして先発した榎谷(2年)も、甘い球を見抜かれすべて打たれ、同点のままの八回途中で降板した。「ゆるみもあったのかもしれない。人生の中で大きな負け。試合後、ずっと泣いていて、気がついたら(同校砂田球場の)ロッカールームにいた」と悔しさをにじませた。【田中綾乃】 ■ 吉田洸二監督がセンバツ出場決定後の記者会見で「初めて優勝に手が届く」と明言するほどの実力を備える山梨学院だが、挫折をバネに憧れの舞台にたどり着いた。ナインの軌跡を2回に分けて振り返る。