【有馬記念・激推し】〝後悔〟を振り払って締めくくる!坂井瑠星&ジャスティンパレスがドウデュース撃破へ
[GⅠ有馬記念=2024年12月22日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝内2500メートル] 今年も様々なドラマがあったJRA・GⅠ競走。高松宮記念のマッドクール、チャンピオンズCのレモンポップなど多くのレースで存在感を見せつけてきたのが坂井瑠星だ。ジャスティンパレスに2度目の騎乗となる有馬記念は、この秋刻まれた〝後悔〟を振り払うための総決算。馬にとっては引退レースに臨む同期への手向けにもなる。 今年のJRA・GⅠで最も活躍したジョッキーは誰だったか? 勝ち鞍でいえば最多3勝のルメール。ただ、1番人気での馬券外も少なくなかった(4回)。馬券をにぎわせたという点で言うなら、坂井瑠星だ。16鞍に騎乗して<2・1・4・9>。馬券内率43・8%と活躍し、高松宮記念=マッドクール・6番人気1着。ジャパンカップ=シンエンペラー・8番人気2着と伏兵での勝負駆けも目立った。一年の締めくくりとも言われるグランプリもこのジョッキーに乗ってみたい。 ジャスティンパレスに騎乗した天皇賞・秋(4着)は本人にとって悔いが残るレースだろう。直線一旦は外に持ち出しながら、スペースがないと見て内に戻っての急追。レース後には「一発勝負に行ったんですけど、結果的には下げて外へ出していた方がもう少し際どかったかもしれません」と反省の弁。杉山晴調教師も当時について「進路取りが違っていれば」と話す。もちろんテン乗りでつかみ切れない面があったのも事実だろう。だからこそ、指揮官は「2度目の騎乗なら」と期待を寄せているのだ。 昨年の有馬記念(鞍上・横山武)は後方で構えて、直線猛烈な脚で追い上げての4着。「東京など大箱のコースでもいいタイプですが、中山も悪くありません」と杉山晴師は語る。前走のジャパンカップは「スローの瞬発力勝負で位置取りの差が出て」(同師)の5着。まだドウデュースとの勝負付けは完全に済んだわけではない。 この秋からトラックコースに入れず坂路で調整を続けてきたジャスティンパレス。稽古でかける負荷が少なくなった分、一戦一戦を経た分の上積みは大きく見込める状況。つまり秋3戦目はこの馬にとって「消耗」ではなく「上昇」だ。 1週前追いは坂路4ハロン54・6ー12・3秒。トレーナーは「疲れもなくいい雰囲気。距離が延びてこの馬の持ち味が出せれば」と期待を寄せる。 引退レースとなるドウデュースとのこれまでの対戦成績1勝6敗。ほとんど歯が立たずにきた同期のライバルにオーラスで〝引導〟を渡し、鞍上も24年の悔恨を払拭――。こんなシナリオも案外悪くない。
東スポ競馬編集部