「もし一緒に引退していたら」長与千種&ライオネス飛鳥が語るクラッシュ・ギャルズ解散秘話「全女ってブラックで…これ初めて言うことだけど」
飛鳥「後楽園の外まで追いかけられた(笑)」
長与 自分が先に辞めさせてもらったあとも、相方のことはずっと見てたよ。全女ってブラックで、それまでテッペンで扱っていた選手を平気で底辺まで落とす会社だから、1人になってすごく嫌な思いをしたんだろうなって、言葉にできないぐらいの落とされ方をしたんだろうなって思ってた。これ、初めて言うことだけどね。 飛鳥 うん。初めて聞いた。 長与 そこから這いあがって、自分をプロデュースしてヒールになった。それも、ダンプ(松本)さんのようなヒールではなくて、頭脳プレーが必要なハードコア。ハードコアって自分はテトリスのようだと思ってて、プロレスを合理的に考えるトンちゃん(飛鳥の愛称)の型にはまったなぁと思ってたから、GAEA JAPANのリングに初めて来たとき('98年12月27日、後楽園ホール)、ニヤッとされて握手をすかされて、尾崎(魔弓)とアジャ(コング)と手を組んだけど、「チキショー!」と思った半面、「やっぱりそうだよね」って思う自分もいた。 飛鳥 後楽園の外まで追いかけられたけど(笑)。 長与 追いかけたよー! それだってテトリスで築きあげた術中に、スコーンとはめられた感じ。手のひらに乗っけられたことが、すごいわかった瞬間だった。
野球でいえば長嶋さん、王さんがそろう感じ
飛鳥 GAEAでの試合は、すべて芸術だったよ。特に、SSU(編集部注:飛鳥、アジャ、尾崎、下田美馬や三田英津子ら総勢8選手で結成されたGAEA造反ユニット)。めちゃめちゃおもしろかった。 長与 おもしろかったね。 飛鳥 敵なのにそう思ったの? 長与 うん。引いて見てる自分がいて、「こんなにおもしろい構図があるかよ!」って客観的に楽しんでた。 飛鳥 楽しかったね。役者がそろってたし。 長与 スーパー・スターズ・ユニットって名乗っちゃうんだから。自分たちの時代だと、野球でいえば長嶋(茂雄)さんや王(貞治)さん、掛布(雅之)さんや衣笠(祥雄)さんがそろう感じ。こっちは自分以外はルーキーしかいないから尻込みするよね。たとえば、大企業の役員たちがズラーッとそろう前で、社員たちが「さぁ、戦いなさい」と言われたら、尻込みするじゃん。 飛鳥 そうだね。 長与 でも、その異空間が楽しかった。 飛鳥 こっちはスーパースター、千種はルーキーを従えていたけど、引けを取らない戦いをしてたよ。
10年ぶりの「クラッシュ対決」
GAEAに殴り込みをかけた飛鳥は'99年、団体の全権を賭けたシングルマッチを長与に要求する。全女時代以来、10年ぶりの「クラッシュ対決」が実現した。 飛鳥 今朝まさに、千種との一騎打ちの試合を観てきたの。1999年4月4日の午後4時っていう、あれ(横浜文化体育館)。クオリティー高いこと、やってたね。
(「NumberPREMIER Ex」伊藤雅奈子 = 文)
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