日銀・黒田総裁会見9月19日(全文2)前回会合より金融緩和に前向き
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の19日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年9月19日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年9月19日) ◇ ◇
現状のイールドカーブをどう考えているのか
読売新聞:読売新聞の【トダ 00:20:16】と申します。2点伺いたいんですけど、まず1点目なんですけども、特にFRBと比べて、だいぶ日銀と金利の差があって、市場ではFRBに比べて日銀は緩和余地に乏しいのではないかという見方が多いですが、それについてどうお考えなのかということと、あともう1点が、現状のイールドカーブの状況、一時的に長期金利がマイナス0.3近くまで下がったりしているんですけども、現状のイールドカーブの水準をどういうふうに考えてらっしゃるのか、この2点をお願いします。 黒田:単純に名目金利を比較すると、FRBはかなり正常化を進めてきて、このところ2回金利を引き下げをしたわけですけど、まだ2%程度のプラスの政策金利の状況にあるわけですね。他方、日銀の場合はマイナス0.1%っていう政策金利になっているわけですので、そういう意味では緩和の余地が、FRBに比べると少ないだろうっていうことになるのかもしれませんが、他方でECBは政策金利マイナス0.5にこの間さらに引き下げたわけでして、ECBから比較するとまだ日本銀行のほうが政策金利緩和の余地があるということになるのかもしれません。いずれにせよ日本銀行としては常に申し上げているように、4つのオプションとその組み合わせということで、金融緩和の余地は十分あるというふうに考えています。 それからイールドカーブの点については、これは前にも総括的検証で申し上げて以来申し上げていますように、実体経済に大きな影響があるのは、短期から中期の金利でありまして、他方で超長期の金利が下がりすぎますと、年金とかそういうほうの運用利回りが下がるんじゃないかということで、消費者のマインドに影響がありうるということを総括的検証でも申し上げていますが、それはそのとおりだと思いますので、イールドカーブはもう少したったほうが好ましいというふうに思っています。ただいずれにせよ現在のイールドカーブ・コントロールの下で適切なイールドカーブになるように国債買い入れについて必要な調整を行なっていくということになると思います。どうぞ。