日銀・黒田総裁会見9月19日(全文2)前回会合より金融緩和に前向き
金融政策の枠組み見直しも企図しているのか
時事通信:時事通信社の【カワムラ 00:27:28】です。よろしくお願いします。2つお伺いしたいんですが、繰り返しになってしまうんですけど6ポツの、次回、展望レポート会合における点検ということなんですが、これは展望レポートは通常、経済・物価情勢を点検していると思うんですけれども、通常とは異なってということなのかの確認と、何かこれは金融政策の枠組みも見直すということを企図されているのかどうか、この点をまずお願いします。 黒田:展望レポートそのものはご承知のように年に4回、そのときまでの経済指標等を分析して、今後の経済・物価の動向を予測し、そういうことも踏まえて金融政策の決定を行っていくということで、そういう点について特に違うということはないと思います。ただ中身についてはこれから次の決定会合までの間にいろんな指標が出てきますので、その分析、さらには短観とか支店長会議といったものもありますので、そういったものを十分総合して点検作業が行われると。そして展望レポートに反映されるということになると思います。 それから金融政策の枠組みについて今、大きな変更が必要だというふうには、先ほど申し上げたように追加緩和を仮に議論する場合でも、現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和という全体の枠組みを変更する必要があるとは思っておりません。やはり金融緩和効果を出すためには、実質金利の引き下げとか、リスクプレミアムの抑制とか、そういったことを通じて実体経済に影響を与えていくっていうものですし、そのための枠組みとしては現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和という中で国債の買い入れであるとか、あるいはETFの買い入れであるとか、さまざまな手段を講じているわけであります。
マイナス金利の深掘りは選択肢になりうるか
時事通信:すいません、もう1点よろしいですか。今の部分に続くんですけれども今後、追加緩和をされる際に、4つの中に入ってると思うんですが、マイナス金利の深掘りは有力な選択肢になりうるというふうに考えてらっしゃるんでしょうか。 黒田:4つのオプション、またその組み合わせとか改善とかいろんなことがありうるということは前から申し上げてまして、その4つのオプションの中にマイナス金利のさらなる引き下げということも入ってるということだと思います。ただ具体的に何をどうするってことはそのときの金融政策決定会合において議論して、プラスの効果とマイナスの副作用等を十分、勘案して適切な緩和措置を行うということになると思います。