日銀・黒田総裁会見9月19日(全文2)前回会合より金融緩和に前向き
より有力な手段は金利操作目標の変更か
ロイター通信:ロイター通信の【テラダ 00:31:21】ですけれども、ちょっと先ほどの4つのオプションとも絡むんですけれども、今の枠組みが基本的に金利のターゲットを主眼としたものであるということを考えると、やはりその4つの中でも最初に考えうる、より有力な手段は金利操作目標の変更ということなのか。その場合、どうしても副作用が最近意識されて、日銀としても金融情勢を踏まえて政策を検討するっていうことであれば、組み合わせといった場合にはそういう緩和的な手段と併せて、その副作用を軽減する措置もセットでやるという理解でいいのか、必ずしもそういうことではないのか、その辺りをお願いします。 黒田:4つのオプションとして常に申し上げているのは短期政策金利の引き下げ、長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大。マネタリーベースの拡大ペースの加速など、いろいろな対応があり得ますねっていうことと、それらの組み合わせや応用ということも考えられるということでありまして、現時点で何かを優先的に選択するとか、そういうことはないわけでして、あくまでも緩和措置を講じるときに経済物価金融情勢を踏まえて最適なものを選択するということになると思います。 なお、金融緩和をさらに行った場合のいわゆる副作用ということで、いろいろな対策があるではないかということが、市場関係者の間で議論されていることはよく承知していますが、具体的なコメントは差し控えたいと思いますけども、いずれにせよ私どもとしては常に政策のベネフィットとコストをしっかり比較、考慮した上で適切な措置を考えていくという方針に変わりはありません。
金利をマイナスにすることへの考えを教えてほしい
日本経済新聞:日本経済新聞の【カメイ 00:33:32】と申します。今の深掘りっていうか、政策金利の引き下げに絡みまして、預金の金利が実質的にゼロ金利よりも下に下げられないと、これは下げれば下げられるんですけども、なかなか今、現実そうなっていない中で、一方で政策金利を下げると、貸出の金利っていうのがさらに下がって、そこの利ざやっていうのが非常に縮小してくると。むしろ金融仲介機能を阻害しかねないっていうことがあると思うんですが、その場合、銀行として口座を維持管理する手数料を取ることで、そのマイナスを避けるというやり方もあると思うんですが、この動静について、かつて幹部の方が【コウエン 00:34:24】で正当な対価を取るべき【トキン 00:34:25】の法人、個人ありますが、ここを実質的にマイナス化させる、金利をマイナスにするっていうことについて、お考えっていうのを教えてください。 黒田:ヨーロッパの場合を見ましても、ヨーロッパの場合はユーロ圏と限らず、ほかの欧州の中央銀行も政策金利、かなり深掘りしてるわけですけれども、個人の預金金利がマイナスになっているっていう話はあまり聞いておりませんので、そういうふうになる可能性はないと思っております。 口座維持手数料うんぬんっていうのは、これはそれぞれの金融機関が経営判断で決めることでありまして、私から何かコメントするのは差し控えたいというふうに思っています。