【今日からできる健康法】認知症の予防にも!「後ろ歩き」のメリットと注意すべきこと
後ろ歩きの脳へのメリット
後ろ向きウォーキングに関してもっとも興味深いのは、身体的健康によいだけでなく、脳へのメリットも多いこと。なぜなら、マクナマラ博士いわく、歩く方向を切り替えると脳に新しい挑戦を与えられるからだそう。 頭の体操となるような動きは、認知機能を良好に保つために不可欠。テキサス大学の研究者たちは、脳の活発な動きを維持するにはコンフォートゾーンを超え、未知なことに取り組むことで脳に刺激を与えることが重要であることを発見した。 「認知的要求の観点から言うと、体がこの運動パターンに慣れていないので、後ろ向きに歩くことは通常よりも調整力とバランスが求められます。脳は体の動きを制御するために、前庭視覚(ひねる、回転する、速く動くなど動きに関連する感覚)と固有受容(体の動きや位置を感じる感覚)を別々に処理する必要があるのです」とマクナマラ博士。 後ろ向きに歩くことで、通常のコンフォートゾーンを超えた、さまざまな視覚や動きを受け入れるように脳に挑戦を与えることになる。そのため、脳は普段以上に調整力が要求され、より熱心に働き始める。 これに加え、ストレスの軽減やウェルビーイングの向上など、身体を動かすことで得られる精神的なメリットもすべて付いてくる。
後ろ歩きの始め方・推奨頻度は?
ただ、後ろ向きに歩くだけでいい。というと簡単に聞こえるけれど、思った以上の集中力とバランスが必要になる。後ろ向きウォーキングに慣れるまではゆっくり始めるようにマクナマラ博士は助言する。「後ろ向きに歩くことに慣れていない人は、まずは1~2分という短い時間から始め、徐々に歩く時間を長くしていきましょう。トレッドミルで練習するのもおすすめ。慣れてきたら、週に2~3回のルーティンに組み込んでみてください」 後ろ歩きの難易度を上げたい人には? スポーツ科学者でアスリートのアマンダ・ンゴニャマが勧めるのは、リバースランジ(フォワードランジの反対)。初めは自重だけで行い、ダンベルやウエイトを使って徐々にレベルを上げていくといい。 後ろ歩きは週に何回/どれくらいの頻度でするといいのだろう? 「後ろ歩きの頻度と時間の長さは、個々のフィットネスレベルによって変わるものです。最初は週に2~3回程度、通常の運動ルーティンに後ろ歩きを取り入れてみるのがいいでしょう」とバー氏。 「セッションごとに5~10分の短い時間から始めていき、フィットネスレベルが向上するにつれて、徐々に時間を長くしていくことです。目標時間を設定し、持久力がついてきたら、後ろ歩きを最大で20~30分行えるように目指してみてください」 この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。