「スポーツするとミトコンドリアを感じる」ソチ五輪ペア代表・高橋成美がいろんな競技に挑むわけ…「芸能人になってみんなに元気を届けたい」
「スポーツをしていると、ミトコンドリアを感じる」
スポーツをしている高橋は、本当に楽しそうだ。走る時も笑顔を絶やさず、ぴょんぴょん飛び跳ねるようにして進んでいく。もう誰も止められないという感じだ。 「スポーツをしていると、ミトコンドリアを感じるというか、エネルギーが湧いてきて、止められないんです。それはずっとスケートをやってきたからかもしれないですが、スケーターの仲間からも『ナルちゃんだけだよ。スケート終わってもトレーニングして、ずっと動いているのは。おかしいよ』って言われていました(笑)」 全力で走り続けるような毎日。体やメンタルに疲れを感じることはないのだろうか。 「普通にありますよ。でも、自分は才能がないし、何もできないと思っているので、自分に対する期待が薄いんです。これまで自分に合うスポーツはなかったですし、スケートもそう。でも、やり続けていたら、いつの間にかできるようになりました。これが普通なんだ、才能がないからやるしかないって思っているので、疲れていても動けているのかなぁって思います」 スポーツだけではなく、バラエティ番組にも活躍の場を広げつつある。 神奈川県の三浦半島に移住する密着企画では、ロケでみずから見て回って物件を決めた。今後は、三浦半島でも恋愛のアンテナを張って生活していくという。 「テレビは、興味もない人もある人も、多数が見てくれるじゃないですか。私がスケートでペアをしていた時には、結果が出ないとそのプロセスを誰も見てくれないし、評価してくれなかった。アスリートなので仕方ないですが、それが辛かったんです。今もそれほど注目されているわけじゃないかもしれないですが、こんなチャンスをいただいたので、多くの人に見てもらいたいですし、私という存在を知ってもらえたらいいなって思います」
芸能人に憧れるわけ
スポーツの世界に身を置きつつ、今は芸能界で活躍したいという思いが強いという。なぜ、そこまで芸能人に憧れているのだろうか。 「中学の修学旅行、私は友人が少なくて気が重かったんです。その旅行中に『渡る世間は鬼ばかり』に出ていた女優さんに会ったんです。それだけで、修学旅行が華やかになって、いい思い出になりました。小学生の頃は北京に『NHKのど自慢』で来ていた氷川きよしさんを見ただけで、6年間がんばることができたんです(笑)。 ちょっと歩いている姿を見ただけで、一日が良かったと思えるような存在ってすごいなって思いましたし、私も芸能人になってそういう存在になりたいと思ったんです。でも、そうなるには認知度が必要じゃないですか。今の私には芸能人として輝くものが何もないので、まずはいろんなことに一生懸命に取り組む。それが見ている人にきっと響くはずだって思っているので、どんな仕事も全力でやるのを心掛けています」
今の目標は再現VTR!?
今後は、バラエティだけではなく、いろんなことに挑戦していきたいと考えているが、すぐにでもやってみたい仕事があるという。 「再現VTRに出たいんです。見ていてすごく分かりやすいですし、おもしろいですよね(笑)。今は、その出演を目指しています」 そう語る高橋の148cmの小さな体からは強烈なエネルギーの発散を感じた。かつてペアを目指した時も、きっとこんな風に気持ちがたぎっていたのだろう。メラメラと燃えながら、未練タラタラでやめたスケート以上に夢中になれるものを、これから探していくことになる。
(「フィギュアスケートPRESS」佐藤俊 = 文)
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