小寒の時期に旬を迎える寒鰤はめでたい「出世魚」だが、関東と関西では呼び名が異なる【ビジネスマナー常識チェック】
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#97 1月 季節のめぐり編 ◇ ◇ ◇ 【写真】節分は一年に4回ある? なぜ2月3日だけが「節分」になったのか 2025年、新しい年が始まって7日が経ちました。本連載も新年1回目を迎えます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 今日は7日、人日の節句です。この日は「七草の日」とも呼ばれ、春の七草とされるセリ、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7種類の野草を刻み入れた「七草がゆ」を食べ、一年の無病息災を祈る風習があります。 ■花びら餅 新春の食べ物といえば、おせち料理やお雑煮、七草がゆ、鏡開きのぜんざいなどがありますが、平安時代から続く伝統的な和菓子「花びら餅」も、この時季ならではの一品です。 花びら餅は、薄い求肥で白味噌あんや甘く煮た細長いゴボウを包み、半月形に仕上げた形が特徴の和菓子で、主にお正月や茶道の初釜に用いられます。 ■二十四節気(にじゅうしせっき) 二十四節気とは、一年を太陽の動きに合わせて24の期間に分けた暦法で、季節の移ろいを漢字二文字で表しています。現在は初日だけを指すことが一般的ですが、元々は初日から数えて15日間のことでした。 二十四節気の中でも「春分」「秋分」「夏至」「冬至」などは馴染み深いですね。今月は、5日の「小寒」と20日の「大寒」があります。 ①小寒(5日) 「冬至」の次に訪れるのが「小寒」です。この日は本格的な寒さの始まりを意味し、「寒入り」とも呼ばれています。 この時季の旬といえば寒ブリです。冬に脂がのるブリは別格とされ、小寒から大寒にかけてよく食べられます。また、ブリは成長とともに名前が変わる「出世魚」としても知られ、おめでたい魚とされています。 ブリの呼び名は地域によって異なり、例えば関東では「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西では「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」といった具合に変化していきます。 ②大寒(20日) 小寒から大寒、そして寒が明ける立春の前日までの期間を「寒内」といいます。一年中でもっとも寒い時季です。 寒い日が3日続いた後、比較的暖かい日が4日続くという意味の「三寒四温」という言葉、春先に使われることが多いですが、実は冬の季語。冬の気候を表す言葉です。 また、この時季に生まれた卵は「寒卵」と呼ばれ、冬の厳しい寒さの中生まれた栄養豊富な卵として珍重されてきました、特に大寒初日に生まれた卵は「大寒卵」と呼ばれ、縁起物とされています。 (金森たかこ/マナー講師)