アルファードなどの高い車は「残クレ」で買えばいいという話を聞きました。普通のローンと何が違うのでしょうか?
高級車の購入を検討しているときに、「普通のローンよりも残クレがおすすめ」と、ディーラーに勧められたことがある方もいるのではないでしょうか。 残クレは確かに、月々の返済額を軽減できる方法ですが、利用する前に仕組みをよく理解しておくことが大切です。 今回は、残クレの特徴や一般的な自動車ローンとの違いを詳しく解説します。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた!
残クレとは?
残クレは、「残価設定型クレジット」を略した言葉です。高い車が欲しいけど毎月の返済額を軽減したい方におすすめの購入方法です。 もっとも、残クレを利用するときは、マイカー生活を守るためにも、メリットやデメリットをよく理解しておく必要があります。 ■残クレの仕組み 残クレは、一般的なローンと同じように毎月の返済があるものの、独特の仕組みを用いているため、注意する必要があります。 1. ローンの返済時の車の価値(残価)を設定する 2. 購入金額から残価を差し引いた金額でローン契約する 例えば、700万円のアルファードを購入するとき、残クレで100万円の残価を設定すると、ローン契約上は600万円を借り入れていることになります。借入額を減らせば毎月の返済額は少なくできます。 残クレで設定されたローン完済後は、4つの方法から選択が可能です。 ● 車をディーラーに返却する ● 残価を一括返済して買い取る ● 車をディーラーに返却して新車を購入する ● 残価は新たにローンを組み返済しながら車に乗る 家計や生活スタイルに合わせて、無理のないマイカー生活を選びましょう。 ■残クレを利用するメリット ローンの借り入れ金額を抑えられる残クレは、毎月の返済額も軽減できます。その仕組みから、高級車を買うときには3つのメリットがあります。 ● 毎月の返済額を軽減できる ● 同じメーカーで車の乗り換えがしやすい ● ローン終了時の下取り価格が決まっている 車を返却すれば新しい車に乗り換えられる残クレは、ライフサイクルに合わせて車を乗り換えたい人には大きなメリットとなります。 購入した車は、ローン返済期間が完了した時点の残価が「下取り価格」となります。たとえ車種の人気が低迷して市場価格が低くなっても、下取り価格は保証されている状態なので安心です。 ただし、乗り換え可能な車は、同じメーカーに限られることが多いため注意してください。 ■残クレを利用するデメリット 残クレには、5つのデメリットがあります。 ● 銀行のローンより金利が高い ● 車の所有権はディーラーにある ● 走行距離に制限を設けられることがある ● 追加費用が発生する可能性がある ● ローン返済中は車を乗り換えられない 金利の高さや追加費用の発生は、家計に直接影響するデメリットです。 銀行の金利相場は1~4%である一方で、残クレは3~5%と高い金利設定です。走行距離やカスタマイズに制限が設けられているなど、契約に違反すると違約金を請求されることがあります。残クレを利用するときは、契約内容をしっかり確認しておきましょう。 なお、残クレの返済中は、車の所有権はディーラーにあります。自由に車を乗り換えられないことにも注意しておいてください。