屋根付きガレージなんて夢のまた夢……でも大丈夫! 洗車の達人が伝える「長年の露天駐車」でもクルマをヤレさせない方法
常日頃から洗車やコーティングをしておくことがポイント
そして日々のケア。頻繁な洗車はかえってクルマを痛める、というのが、80~90年代の洗車ブームを自動車専門誌でけん引し、洗車に関する書籍、ビデオ、TV、ラジオ出演のほか、洗車関連メーカーのアドバイザーに20年間携わってきた筆者の経験上の結論だが(ボディを触るほど、微細なキズが付く)、その上で、汚れたら徹底した正しい洗車を心がけ、適度なタイミングでガラス、タイヤ&ホイール、エンジンルーム内のケアもまた、怠らないようにしているのだ。 ところで、露天駐車を余儀なくされる場合、ボディカバーの使用という方法がある。かつて筆者も、セカンドカーを家から離れた月極露天駐車場に停めていて、頻繁に乗らないことからボディカバーをかけていたことがある。しかし、ボディカバーも良し悪しで、安物を使ってしっかり固定しておかないなどした場合、風などの影響を受け、カバーとボディが擦れてかえってボディを痛めかねない。また、防水、湿気対策が不十分なボディカバーだと、風雨に長期間さらされていると、ボディに湿気が溜まり、いいことはない。露天駐車や、半屋根付き駐車で愛車を風雨から守りたいのであれば、高価でも定評ある上質なボディカバーを選ぶべきなのである。 あまりにも愛車を大切にするあまり、出先でもボディカバーを付けたほうが安心……と思う人もいるかも知れないが、確かに風雨からは守ってくれるものの、問題は脱着時。ボディカバーを脱着する際は、どうしてもボディとの摩擦が生じる。それを頻繁に繰り返すとどうなるか……である。手間もかかるし、なんらかの事情で出先に1カ月以上露天駐車せざるを得ないような場合を除き、ちょっとした出先の駐車でボディカバーを付けたり外したりするのはナンセンス(クルマの窃盗団が狙うクルマの盗難防止に効果はあるかも知れないが)。そもそも、駐車中に雨が降ったりすれば、濡れたボディカバーを外して車内にしまうのもやっかいだろう(荷室に湿気が溜まる)。 つまり、露天駐車を余儀なくされても、最近のクルマのボディは塗装や樹脂、ゴムパーツも耐久性、対候性に優れ、コーティング技術も高くなっているため、新車時(または中古車購入時)にボディコーティングを施しておけば、その効果持続期間において、露天駐車によるボディのコンディション悪化については、ボディカバーをかけなくても、筆者の長年の露天駐車の経験から、それほど気にしなくていいともいえるのだ(日々のケアは不可欠だが)。 ただし、月極め駐車場などで、木の下、電線の下、鉄工所、線路の近くは避けたい。樹液が降ってくるし、鳥のフン、鉄粉被害によるボディのダメージが避けられないからだ。そんな駐車環境にしか停められないのであれば、ボディカバーも一考だろう。
青山尚暉