【リーグワン】ブレイブルーパスがダイナボアーズを圧倒。大量得点で開幕2連勝を飾る。
■NTTリーグワンD1第2節・12月29日@味の素スタジアム(東京) 【BL東京 61-8 相模原DB】 昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京が、今季最初のホストゲームに臨んだ。近年、着実に力をつける三菱重工相模原ダイナボアーズをFWで制圧。前後半合わせて9トライを奪う猛攻で開幕2連勝を果たした。 前半の「前半」と「後半」でまるで様相の異なるゲームとなった。 先制点はダイナボアーズ。3分、自陣22㍍線内まで攻め込まれるも、SOリッチー・モウンガが放った右の大外へのロングパスをWTB小泉怜史がインターセプト。そのまま、およそ70㍍を走り切った(5-0)。 ブレイブルーパスも10分、敵陣右サイドでのラインアウトを起点に中央へ侵入。折り返したあと、スピードに乗ったアタックで巧みにパスをつなぎ、最後はキャプテンのNO8リーチ マイケルが左隅に飛び込んだ。FB松永拓朗も難しい角度のコンバージョンを決めて、7-5とスコアを逆転させる。 しかし、ディフェンディングチャンピオンは波に乗りきれない。ここから約10分間はノックオンを繰り返し、リズムをつかめないまま時間を費やす。その間にダイナボアーズは、S0ジェームス・グレイソンがPGを沈めて8-7と再度リードを奪う。 潮目が明確に変わったのは22分。ブレイブルーパスは自らの強みを発揮して流れを引き戻す。センターライン付近で得た、この日初めてのマイボールスクラムでコラプシングを誘発。これをきっかけに攻撃の勢いを一気に加速させる。 24分に松永、27分にCTBセタ・タマニバル、32分にはWTBジョネ・ナイカブラと、立て続けに3度インゴールへの侵入に成功した(28-8)。 また、このナイカブラのトライに至る過程で、ダイナボアーズは日本代表のLOエピネリ・ウルイヴァイティが危険なプレーでシンビンを受ける(※のちにオフフィールドレビューによって退場処分の裁定)。 この数的アドバンテージをホストチームは巧みに生かす。速く正確なアタックで次々ととゲインラインを突破。なかでもHO橋本大吾が躍動した。高いランスキルを発揮し、相手ディフェンスに混乱を生じさせる。これに乗じて、タマニバルとWTB桑山淳生がトライを追加。ロスタイムには敵陣5㍍線でのスクラムを押し切り、49-8の大量リードで折り返した。 前半残り20分の猛攻で大きく勝利に近づいたブレイブルーパスは後半、落ち着いた対応で時計の針を進めていく。 意地を見せたいダイナボアーズのアタックに押し込まれる場面もあったものの冷静に対処。リーチは試合後、「自陣でのプレータイムの長さは反省点」と口にしたが、集中力を切らせることなく無失点に抑えた。 40分には、途中出場のHO原田衛がモールでダメ押しのトライ。またモウンガに代わってキッカーを務めた松永は、9本のコンバージョンのうち8本を成功。見事に重責を果たし、ホーム開幕戦の勝利に華を添えた。 開幕2連勝となったトッド・ブラックアダーHCは、「今日はFW、スクラム、ラインアウトと、FWコーチのジョシュア・シムズが鍛えたところが出せた」と手応えを得た様子。キャプテンのリーチは、「今季のリーグワンはタイトなゲームが多い。どの相手にもしっかりと準備しないといけない」と先を見すえた。 一方、思わぬ大敗を喫したダイナボアーズのキャプテン、SH岩村昂太は悔しさを露わに。「情けない思い。こういうプレーは二度としてはいけない」と、次節以降の巻き返しを誓った。 (文:三谷 悠)