老齢年金「繰下げ受給」で月額10万円が18万4000円に…どのようなデメリットがあるのか
老後の年金を増やす方法のひとつに、年金の繰下げ受給をする方法があります。公的年金は、原則として65歳から受給開始となりますが、繰下げることで年金額が増額される制度です。 ◆【受給開始年齢別】老齢年金の繰下げ受給による増額率と受給額(月額) ただし、繰下げ受給を選択するとデメリットもあるため、選択前に確認する必要があります。 本記事では、年金の繰下げ受給の概要や気を付けたい3つのデメリットについて解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老齢年金の繰下げ受給とは
老齢年金の繰下げ受給とは、老齢基礎年金や老齢厚生年金を原則の65歳から受給せずに、66歳以降75歳の間に繰下げて受給開始する制度のことです(※昭和27年4月1日以前生まれの方は、70歳が上限)。 1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、増額率は受給中ずっと適用されます。 老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰り下げることが可能です。たとえば、老齢基礎年金は65歳から受給開始し、老齢厚生年金は70歳まで繰下げるといったことができます。 増額率は、以下の計算式で求めます。 増額率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数 75歳まで10年間(120月)繰下げると、増額率は最大で84%となります。
年金月額10万円を10年繰下げると18万4000円に
老齢厚生年金を月額10万円受給している方が、66歳から75歳までに繰下げした場合、年金額がどのくらい増えるのかを見ていきましょう。 ・66歳:10万円×1.084=10万8400円 ・67歳:10万円×1.168=11万6800円 ・68歳:10万円×1.252=12万5200円 ・69歳:10万円×1.336=13万3600円 ・70歳:10万円×1.42=14万2000円 ・71歳:10万円×1.504=15万400円 ・72歳:10万円×1.588=15万8800円 ・73歳:10万円×1.672=16万7200円 ・74歳:10万円×1.756=17万5600円 ・75歳:10万円×1.84=18万4000円 老齢厚生年金10万円を75歳まで10年間繰下げると、増額率は最大の84%となり、受給額は18万4000円になります。 これほど多く増えるとなると、繰下げ受給を積極的に活用したいと思う方もいるでしょう。しかし、繰下げ受給を選択するとデメリットもあるため注意が必要です。