名門の主力に成長した八村塁が6回目のシーズンに期待…河村勇輝の2way契約にも言及
「僕はもう若手ではない。ベテランの域に入る」
レディックHCは9人ローテーションでシーズンを戦うことを公言しているが、レイカーズはローテーション入りする選手を絞るのも大変なほど層の厚いチームであることで、「シーズンは長いので、お互い助け合いながら乗り越えていくというのが大事だと思いますし、層が厚いことによって、お互いを信用しながら、いろんなマッチアップをやりながら、いろいろ自分たちで調整していけます」と八村。「プレーオフの時でもチームによって対応ができるので、いいと思う」と自信を感じている。 層が厚いということは、チーム内の競争の激しさにもつながる。しかし、「僕はもう若手ではない。ベテランの域に入る」と話す八村にとって、それはポジティブ以外の何でもない。ルーキー時からスターターを経験し、リザーブという立場もこなしてきた。バスケから離れなければならない時期があったほど精神的に苦しんだこともあったし、長引く故障も負った。DNP(コーチの判断による不出場)という誰も味わいたくない試合もあった。連敗で苦しんだ一方で夢のNBAファイナルまであと一歩となるウエスタン・カンファレンス決勝という舞台でも戦った。昨シーズンはNBAが初めて試みた “インシーズン・トーナメント” で王者になった。 「振り返ると、クレイジーな道のりでした。DC(ワシントン・ウィザーズ)にドラフトされて、そしてトレードでここに来て、ウエスタン・カンファレンス決勝に勝ち進んで、今ここで(優勝するまで)すべての試合に勝とうとしています。ここにいることができてうれしい。昨シーズンは少し苦しみましたが、この球団で前進してきました。今シーズンは、とてもいい予感がしています」。八村は微笑んだ。 そう話した前日には、パリオリンピックで日本代表としてともにプレーした河村勇輝がグリズリーズと2way契約を結んだ。NBA下部のGリーグチームにも所属しながら、NBAのレギュラーシーズンの試合に一定数出場登録できる契約だ。本契約とは異なるものの、自らに続く後輩ができたことで、「(渡邊)雄太さん(現千葉ジェッツ)のあとに続いて、こうやってまた日本人がNBAに出てきたということは、僕としてもうれしい。ポイントガードなので、試合を支配する機会がすごくあると思う。身長(で不利な面)はあると思いますけど、彼のシュート力だったり、そういうところをしっかり生かして、恥ずかしがらないでやってほしい」と喜んだ。 まもなく始まる6シーズン目のシーズン中には、苦しい時もあるだろう。だが、「若手」を脱皮した八村は、それを含めて準備ができている。 文=山脇明子
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