大企業も対象に…トヨタ、今年度下期の部品価格据え置き
大企業も対象
トヨタ自動車は2024年度下期(24年10月―25年3月)分の部品調達について価格を据え置く方針を固めた。下期は中小企業に加え、新たに大企業についても部品価格を据え置く。エネルギーや材料の高騰に加え、労務費の負担増などを支援する。認証問題に伴い生産台数が減少する中、ティア1(1次取引先)の操業に関する不安解消につなげ、サプライチェーン(供給網)の回復と強靱(きょうじん)化を図る。 【グラフ】トヨタ・レクサスの販売実績 トヨタは上期(4―9月)と下期の年2回、1次取引先の原価低減活動を踏まえ、調達価格の適正化を求める「価格改定」を実施している。これまで価格に反映するのは原材料費の上昇分だったが、22年度上期からはエネルギー費上昇分を、24年度上期からは労務費など「人への投資」に関する費用の上乗せを認めていた。 24年度上期は下請法の対象となる中小企業については価格改定の要請を見送り、大企業については最小限としながらも一部に限定して要請を続けていた。同下期は中小に加え、大企業への価格改定要請も見送る。 トヨタは24年度上期から職場環境や働き方改善を含めた「人への投資」分を調達価格に反映できるようにした。同下期でもこれを継続。仕入れ先各社では、労務費の負担対象の拡大などにつなげている事例も出ている。急な生産変動が生じた場合、いったん期間従業員の契約を解除すると、熟練度の面からも新たな人員をすぐに補填することが難しい。このため将来の増産に備えて期間従業員を抱えたままにしているのが通例だが、この負担を軽減できる。