ウェルネスメンター、吉川めいさんの「2023年の学びと気付き」
その② ど素直、どストレート、ど直球の力
2018年に夫を突然の事故で亡くし、自分の生きる世界が180度一変したこと。その後、私は長い間地下に潜むように仕事や社会から離れた時期がありました。復帰したのはパンデミックが到来する直前の2020年1月のこと。復帰とほぼ同時に活動がオンライン化し、社会に出るようになったのはパンデミックが落ち着き始めてからだったので、だいぶギャップがありました。 社会復帰したら、私は、自分のプロフィールが夫を失う前から変わっていないことに違和感を感じました。暮らしも、家族も、生き方も、考え方も大きく変わったのに、表向きに発信している肩書きが同じ「ヨガインストラクター:吉川めい」では何かがおかしいと、ズレを感じたのです。 私は肩書きを重んじるタイプではありませんが、活動を続ける中で、外へ発信していくことと自分の内面とが一致していることを大切にしています。肩書きやプロフィールは自分のオーセンティシティを物語るものの一つだと考え、自ら変えることを選びました。アワードの受賞歴やキャリアの実績と並びに夫を失ったことや母を看取ったことの人生経験を並べることは、多くの人のやり方と違うし、ちょっと大胆かもしれません。しかし、私にとってはこのような人生経験こそが自分が練習を続けてきたヨガや瞑想の真髄が最も活かされているところでもあり、だからこそ暮らしの中で使いやすい、実用的な伝え方ができるのだと思っています。 イベント等の活動やインスタグラムなどの不特定多数に向けて発信する内容においてもそれは同じ。私の在り方や生い立ち、そして過去の経験をどう捉えるか、受け取り方は様々でしょうが、私は「自分はこういう人間なのです」ということを、どんなに人と違っても、どんなに言いにくくて聞きにくいことでも、「私の事実」として恥ずかしがらずに、引け目を感じずに言いたかったのです。私の在り方がど素直、どストレート、ど直球であることは、「自分がオーセンティックである必要がある」ことの表れです。逆に言うと、私はただ、大切な人を若くして失った後の自分の人生を、ずっと中途半端に静かに隠しながら、「言わなくていいときは言わない」ように扱いたくなかったというのが本音でしょう。せっかく生きるなら、堂々とフルに人生を生きたいと感じている自分がいます。