米国防総省「北朝鮮軍、露クルスク州でウクライナ軍と交戦中、死傷者発生」
ロシアのクルスク州に派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と交戦する過程で死傷者が発生したと伝えられた。 米国防総省のライダー報道官は16日(現地時間)、「我々は北朝鮮軍がクルスクで戦闘をしたと評価している」とし「北朝鮮軍の死傷者が発生した兆候がある」と述べたと、ロイター通信が報じた。 米当局がロシアに派遣された北朝鮮軍の交戦と死傷者の発生を確認したのは今回が初めて。ただ、ライダー報道官は具体的な死傷者数に関する情報はないと伝えた。 これに先立ちウクライナ国防情報局(DIU)はこの日、クルスクで少なくとも30人の北朝鮮軍が死傷したと発表した。国防情報局はテレグラムでこのように伝え、北朝鮮軍の死傷者が発生したクルスク州内の具体的に地域にも言及した。しかしロシア大統領府のペスコフ報道官は会見で、ウクライナ側の発表内容に対する論評要請に対し「国防省に問うべき」とし、答弁を拒否した。 北朝鮮はウクライナと戦争中のロシアを支援するため10月に約1万人を派兵した。派兵兵力の大半はロシアがウクライナ軍の奇襲占領で奪われたクルスク地域を奪還する作戦に投入されたと、ウクライナのゼレンスキー大統領が14日に伝えた。 ◆米政府、ロシア派兵関与の北朝鮮軍幹部など制裁 こうした中、米政府はロシアに対する北朝鮮の軍事支援および弾道ミサイル開発に関与した軍幹部を制裁すると発表した。米財務省外国資産管理局(OFAC)はこの日、北朝鮮に金融・軍事支援をした7団体と9個人を制裁リストに含め、国務省は北朝鮮弾道ミサイル開発に関連して制裁対象3カ所を追加で指定した。 この日、制裁対象に含まれた北朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長と李昌鎬(イ・チャンホ)偵察総局長について、米財務省は「ロシアのウクライナ戦争を支援するため数千人の北朝鮮軍人と共にロシアに渡った北朝鮮軍幹部」と説明した。また朴正天(パク・ジョンチョン)労働党中央軍事委員会副委員長、努光鉄(ノ・グァンチョル)国防相、キム・グムチョル金日成軍事総合大学総長など北朝鮮軍幹部とイム・ソンジン金日成大学物理学教授ら学界関係者も制裁対象に含まれた。 北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)開発を支援する団体の物資調達を可能にするマンダル信用銀行(KMCB)、中国丹東で朝鮮光鮮銀行代表を務めながら朝中間の現金密輸に関与したチェ・チョルリョン、朝鮮デソン銀行中国北京支店代表で北朝鮮政権の不法金融活動を支援したキム・ミョンジンも米財務省の制裁対象に指定された。 このほか北朝鮮の為替取引を担当するゴールデントライアングル銀行と朝鮮オクリュ貿易会社、北朝鮮に原油とガスを運送したロシア所在の貿易会社も制裁対象に入った。米政府の制裁対象になれば、当事者のすべての米国内の資産は凍結され、米国旅行や米国人との取引が禁止される。