年金月額「10万円台」の割合は何パーセント?1万円刻みの男女別受給権者数を見る
厚生年金の水準差が生じる要因
厚生年金額は、原則として「厚生年金加入時の月額報酬と賞与額」と「厚生年金加入期間」が大きな決定要素となります。 そのため、受給金額の差が生じる要因として、下記のようなことが挙げられます。 1.賃金格差:一般的に、男性の平均賃金が女性よりも高い傾向にあるため、年金額の違いにも反映されていると考えらえます。 2.就業年数の差:女性は結婚や出産を機に退職をしたり社会保険から抜ける働き方を選んだりするケースも多く、就業年数(厚生年金加入期間)が短くなる傾向があります。 これらの要因により、女性よりも男性の方が年金額の水準が高くなっていると考えられます。
国民年金(老齢基礎年金)の水準
続いて、国民年金の平均受給額を男女別に見ていきます。国民年金は、自営業者や学生、主婦などが加入する年金制度です。厚生年金の加入期間がない場合、国民年金分として老齢基礎年金のみが支給されます。 【男女別 老齢基礎年金平均受給額】 ・男性:5万8798円/月 ・女性:5万4426円/月 国民年金については、厚生年金ほどの男女差はありません。これは、国民年金の保険料や加入期間が日本国民であれば原則として決まっていることが大きな要因です。 国民年金は20歳から60歳の日本居住者は加入する義務があり、加入期間である40年間、欠けることなく定額の保険料を支払った場合には、受給金額の差は生じません。 ただし、一定の所得要件や学生要件を満たした場合、保険料の免除がされる制度があり、その場合、保険料支払いの義務はなくなりますが、その分は将来の年金額の計算には含まれないケースもあるので注意しましょう。
年金受給額の考え方
次に、年金受給額の決定方法を簡単に説明します。 厚生年金額の受給額は、会社に勤めて厚生年金に加入していたときの報酬月額と賞与額、そしてその加入期間によって計算されます。 基礎年金の受給額は、国民年金保険料を支払った月数によって計算されます。 女性の年金額の水準が男性に比べて低いのは、これらの計算の元となる数値が男性に比べて低い傾向にあるからだと言えます。 とはいえ、月10万円という金額は、生活をしていくためには中々に厳しい金額なのではないでしょうか。そこで次に、年金額を増やす方法について説明していきます。