「病院食」と「給食」って似ていませんか? 費用も同じくらいなのでしょうか?
「病院食」と「給食」はどちらも集団で食事を提供する点では似ているように思えますが、実は提供される食事の内容や目的、費用などに違いがあります。ここでは、病院食と給食の違い、それぞれの費用について詳しく解説します。
病院食について
病院食は、患者の病状や体質に応じて栄養バランスを考慮し、治療の一環として提供されます。 病院食の種類は、特別な制限がない「一般食」と、疾患や治療に応じて栄養量が細かく調整される「治療食」の2つです。治療食はエネルギー制限、たんぱく質制限、脂質制限、塩分制限などが行われます。 ■病院食の費用について 厚生労働省のデータによれば、2022年度の病院給食の委託単価は1997円でした。これは、公定価格である1920円を上回る額です。なお、昨今の食材費などの高騰により、この価格差はさらに広がっています。
給食について
給食とは、特定の多人数に対して、専用の施設(給食センターや給食室)を使って、組織的かつ継続的に食事を提供するシステムです。 一般的には、教育機関(幼稚園や小学校、中学校など)、福祉施設(保育所、児童養護施設、老人ホームなど)、工場、病院、寄宿舎、軍隊、刑務所などで、一般的なバランスの取れた食事が各所のスケジュールに合わせて提供されます。 ■給食の費用について 文部科学省が2023年1月に発表した「令和3年度学校給食実施状況等調査の結果」によると、国公私立学校の95.6%で給食が提供されています。 2021年のデータによると、小学校の給食費の平均月額は4477円、中学校は5121円でした。一方、2018年には小学校が4343円、中学校が4941円であったため、3年間で値上がりしていることが分かります。 ■世界と比べた日本の給食 日本の給食は、他国の給食と比べて以下のような独特な点が多く見られます。 ●教室で食べる ●生徒が自ら配膳する 日本の場合、高校などでは食堂を利用することもありますが、小中学校では教室で食事をとるのが一般的です。机を向かい合わせてグループを作り、食事をしている学校もあります。 また、日本の学校には「給食当番」という役割がありますが、これも世界では例を見ません。多くの場合、卒業するまでに全員が給食当番を経験することでしょう。