水星のクレーターに浮世絵師・歌川国芳を命名
水星の南半球にあるクレーターが、江戸末期の浮世絵師、歌川国芳(1798~1861)にちなんで「国芳(くによし)クレーター」(Kuniyoshi)と名付けられました。
クレーターは、隕石が衝突してできる円形の地形です。「国芳クレーター」は、南緯58度に位置していて、直径は26.5キロメートル。歌川国芳は役者絵だけでなく、風刺画や妖怪画といった型破りな作品を残し、江戸の昔に「東京スカイツリー」を浮世絵に描いていたのではないか? と話題になった人物でもあります。 水星は英語で「マーキュリー(Mercury)」と言います。マーキュリーは、ローマ神話に登場する芸術の神様の名前「メルクリウス」から採られているため、水星の地名には、世界の芸術家の名前を付ける慣例があります。 日本からはこのほかにも紫式部(Murasaki)、歌川広重(Hiroshige)、世阿弥(Zeami)、黒沢琴古(Kurosawa)など歴史的な作家・芸術家が名を連ねています。 ちなみに、火星のクレーターの場合、直径60km以下のものには、原則として世界各地の人口10万人以下の町や村の名前がつけられることになっています。 (監修:アストロアーツ)