会社の害虫図鑑(16)イタバサミ虫 ワークライフバランス重視で管理職がメンタルを病む、解決策は実はシンプル
■ 【事例】仕事とプライベートを妥協せず両立する方法 業績が低迷し、目標必達のために会社でも家でも仕事漬けの日々のP課長。残業削減が叫ばれる中、部下は定時で帰る必要があるが、目標必達のために、いままで部下が残業してやっていた仕事を自らこなさなければならない。部下のワークライフバランス実現のため、自らは、ワークライフバランスを崩し、家でも仕事漬けという毎日が続いてモヤモヤと悩む日々であった。 これはまさに、イタバサミ虫が放つ精神的不安を引き起こすストレス物質「モヤモヤ」に苛まれていた状況である。 すぐに特効薬「クラウド」を処方。驚いたのは即効性である。わずか30分でたどり着いた解決策は、仕事での成功と、なりたい自分の実現がオーバーラップするように自分の目標を立てることだった。 P課長の問題は、仕事の目標は持っているが、自分の人生の目標は今まであまり考えたことがないことだった。 「気が付いてみたら社畜に成り下がっていたのかもしれません」 P課長がつぶやいた言葉だ。なぜならば、会社から与えられた仕事の目標を達成するために、人生の大半を過ごしていたことに気が付いたからである。そこでP課長が考えたのは、起きている時間のほとんどを使う仕事の時間を自分の人生の目標にもつなげるという、したたかなアイデアだった。 P課長が一番充実感を味わえるのは、仕事でも家でも一緒で、人の成長を実感したときだとのこと。そこで、P課長が決めた人生の目標は「人の成長の可能性を切り拓き、感謝される人になる」ということだった。人の成長の可能性を封じているのは、「あちらを立てればこちらが立たず」のジレンマに挟まれたときが多いと言う。ならば、今回使ったクラウドを活用すれば、人が育つと確信したのだ。
■ 板挟み解消でクライアントも大喜び P課長は早速、部下たちのモヤモヤとした板挟み状態をクラウドを使って解消するのを助け、その度に、部下たちは成長を実感し、感謝してくれるようになった。 部下たちもみんなこぞってクラウドを活用しはじめ、自分たちだけでなく、お客さまのジレンマさえも解消することに活用し、それを提案としてクライアントに持っていくようになった。クライアントも自分たちの立場になって、長年のジレンマを解消する提案に感激したのは言うまでもない。 業績は向上し、P課長は会社でダントツの業績を上げるようになった。部下の成長は著しく、当然ながら、もはや家に持ち帰る仕事はない。 P課長は家庭でもクラウドをどんどん活用。使うたびに家庭内のジレンマも解消され、家族の関係も良くなっていった。小学生、幼稚園に通う子どもたちも、クラウドを使いこなし人気者となり、スクスクと成長している。 対立する状況から両立する解決策を見つけるクラウドは、名著『ザ・ゴール2 思考プロセス』の中で紹介されているが、これをアニメで気軽にご家族でも楽しめるようにしたので、ご覧いただきたい。 ■ あなたの「常識」は正しいのか? 「対立は避けられない」 本当だろうか? 手段レベルの対立に目を向けるのではなく、要望レベルの両立に目を向けて考えたほうが、妥協なき解決策が見つけるには手っ取り早いと思うのだがいかがだろうか?
岸良 裕司