【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟⑤】50代になったら物を捨てるだけではなく、むしろ何を残していくかを考えることが大事
50代になると、老後(人生の後半戦)を心地よく過ごしたいと願う人は多いのでは。特に住まいをどうするか考え始めた人に向け、料理家であり、インテリアコーディネーターや生活空間プロデューサーとしても活躍する行正り香さんに、心地よい住まいのつくり方を教わる連載。今回は、「住まいはその人の人生観、人となり」を表すというお話だ。 「こんにちは、行正り香です。 この連載ではこれまで、心地よい住まいをつくるために大切なこととして、『自分の“好き”を見つめ直す』『照明器具を替える』『一枚の絵を飾ってみる』『床、壁など大きな面積を占めるものから色を決めたら、差し色を配置する』といったポイントをご紹介しました。 今回は『どういう家に住むか』とは『どんな風に生きていきたいか』である、ということをお話ししたいと思います」
◆小物ひとつひとつが持ち主の人生を映し出す。だから美しい思い出がある物だけを残す
家というものは、その人のプロフィールのようなものだと行正さん。 「皆さんも知り合いの家に遊びに行くと、その人の『好きなもの』がわかった経験はありませんか? その人の美意識はもちろん、音楽を聴く時間を大事にしている人なのか、本を大切にする人なのか、または料理が好きで食にこだわりがある人なのかといったことが見えてきた…なんてことがあるのでは。 暮らしている人が意識していようとそうでなかろうと、住まいには自然とそういったものが表れてきます。住まいって、『This is who I am.』に近いもの。まさにその人を表しているのです。 一時期、できるだけ物を減らしてすっきり暮らすことが流行りましたが、物を捨てるだけではできないことがあります。 それは、自分の『好き』を表現することなんです。私の自宅にある物たちも、それぞれが私の人生の一部であり大切な思い出です」 “これは初めてパリへ旅行したときに買った” “とてもかわいがってくれたおばあちゃんが買ってくれた” “初めてお店をプロデュースしたときにいただいた” そんな思い出がある物を普段から目にするところに置いてみたり、時々手にとってみると自分の人生を振り返ることができるのだそう。
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