なぜ転落…。欧州の「消えた天才」サッカー選手10人。世界中から注目を浴びた神童、名将のお墨付きのFWも
DF:ジャック・ロドウェル(イングランド) 生年月日:1991年3月11日 主な在籍クラブ:エバートン、マンチェスター・シティ、サンダーランド 現所属:シドニーFC(オーストラリア) 「7歳の頃からレッテルを貼られていたよ。ジャック・ロドウェルは次のイングランド代表のスーパースターだとね」 この本人の言葉通り、16歳という若さでエバートンのトップチームデビューを飾ったジャック・ロドウェルは、年代別代表でも試合によってはキャプテンマークを任されるなど、イングランドの未来を背負う存在として将来を有望視されていた。 エバートンで順風満帆なキャリアを歩み始めたが、2012年夏のマンチェスター・シティ移籍が彼の将来に大きな影響を与える。怪我の影響などもあって出番が限られると、2014年夏に出場機会を求めて移籍したサンダーランドでは先発したリーグ戦で37試合連続未勝利という不名誉な記録を樹立。ブラックバーンを経て加入したシェフィールド・ユナイテッドでは1年半で2試合の出場に留まるなど、“終わった選手”として失格の烙印を押されていた。 思い通りにいかない日々を経て、イングランドの元神童は2021年11月にイングランドを離れて妻の母国であるオーストラリアでプレーすることを決断する。今年3月に33歳の誕生日を迎えたロドウェルは「僕はオーストラリアが大好きだし、フットボールを引退した後も、オーストラリアでの生活を送るつもりだった」と明かしており、以前からAリーグでプレーする計画があったそうだ。ポジションも中盤からユース時代の定位置だったCBへと下げており、2022年に行われたバルセロナとの親善試合ではAリーグ・オールスターの主将を務めるなど、晩年のイングランドでは味わえなかった充実した日々を過ごしている。
FW:ヤヤ・サノゴ(フランス) 生年月日:1993年1月27日 主な在籍クラブ:アーセナル、アヤックス、トゥールーズ 現所属クラブ:青島紅獅足球倶楽部(中国2部) 長らくアーセナルで指揮を執ったアーセン・ヴェンゲルは、ティエリ・アンリやパトリック・ヴィエラ、ロベール・ピレスら自らと同じフランス生まれの選手を重宝してチームの強化に当たった。 ノースロンドンで大きな成功を収めた名将がその才能を高く評価していたフランス人選手の1人がヤヤ・サノゴである。彼は2013年に行われたU-20ワールドカップでフランス代表のエースとして活躍し、チーム最多の4ゴールを決めて優勝の立役者となっていた。その直後にアーセナルが争奪戦を制して彼の獲得に成功している。 身長191cmという長身とスピード、そして高い決定力。サノゴはストライカーとして成功する多くの資質を持ち合わせていたが、その後は完全に伸び悩んだ。アーセナルでは通算20試合1得点2アシストに終わり、その後プレーしたトゥールーズなどでも得点量産とはならず。彼がキャリアで唯一2桁ゴールを記録したのはアーセナル加入以前にプレーしていたオセール時代であり、2012/13シーズンにリーグ・ドゥ(フランス2部)で10ゴールを記録している。 なお、今シーズン途中までアルメニアのウラルトゥでプレーしていたサノゴは今年2月にアジアへの移籍を決断。中国2部に所属する青島紅獅足球倶楽部と契約し、第5節で待望の初ゴールを含む2得点を記録した。