内村航平(元体操日本代表)「体操を知らない人が見ても美しいと思えるような演技が目標でした」──パリ2024オリンピック特集「レジェンドが名場面を振り返る」
内村航平(元体操日本代表)が語るオリンピックの思い出とは? パリ2024オリンピックの展望にも注目! 【写真を見る】美しい体操!名場面をチェック!
内村航平が振り返る「私のオリンピック」
7月26日のパリ五輪開幕を前に、レジェンドたちがオリンピックの思い出を語る短期集中連載がスタート。石川佳純(卓球)、澤穂希(サッカー)、有森裕子(マラソン)、内村航平(体操)の4名のオリンピアンが、それぞれのオリンピックを語り尽くす。
オリンピック4大会に出場して個人総合2連覇を含む7つのメダルを獲得。世界選手権では前人未到の6連覇を達成。キングともレジェンドとも称される内村航平は、柔和な笑みを浮かべながらインタビューの席についた。表情は穏やかであるけれど、薄手のジャケット越しにもわかるくらい、上半身は筋肉質だ。同時に、首から肩にかけてのラインや上半身のフォルムからは、尋常ではないほど引き締まっていることも伝わってくる。見た目に限って言えば、現役バリバリだ。 2022年1月の引退発表から、心境の変化を尋ねると、こう答えた。 「正直、去年は競技を続けている現役選手をうらやましいと感じることもありました。けれども、今年に入ってからは吹っ切れた感じがありますね」 時間の経過とともに、より客観的に体操競技やオリンピックを俯瞰できるようになったのだろう。「NHKパリオリンピック2024アスリートナビゲーター」として現地の模様を伝えることになる内村航平に、パリ五輪への期待や展望を語ってもらった。 ──多くの国際大会に出場していますが、たとえば世界選手権と比べてもオリンピックは特別な大会なのでしょうか。 オリンピックでは、男子体操の選手は基本的に選手村に入るんですが、いろいろな競技の選手が集まる運動会みたいな感じです。もうひとつ、オリンピックはメディアの注目度がケタ違い。別に悪いことはしませんけれど(笑)、下手なことはできない雰囲気があります。そうしたところが世界選手権とはまるで違います。でも実際に出てみると、僕の場合はまったく楽しくなかった。楽しむ余裕はなかったです。まわりはお祭り騒ぎをしているけれど、自分のやることだけをやって、競技を終えたら、はい帰ります、という感じで(笑)。有名なアスリートともすれ違いますけれど、あまり興味はなくて、開会式にも閉会式にも出たことはありません。
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