アメリカ3大通信会社の一角ベライゾンが上昇基調のワケ
売上高ではアメリカ3大通信会社のトップに位置する(写真:ブルームバーグ)
アメリカ市場に上場している注目銘柄を取り上げる連載企画「はじめての米国株」。今回はアメリカの3大通信会社の一角であるベライゾン・コミュニケーソンズ(VZ)を紹介する。(最新の ドル円相場はこちら です)アメリカでも日本と同様、無線通信の利用者獲得競争は激しいが、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は個人向けで契約者数、契約単価ともに着実に伸ばしている。足元まで安定したキャッシュフロー(現金収支)を裏付けに魅力的な配当水準を維持していることから、アメリカの好配当利回り銘柄の1つとして注目しておきたい。 ベライゾンは、電話の発明者として知られるグラハム・ベルが創業した旧AT&Tを起源としている。1980年代にアメリカで通信事業を独占していた旧AT&Tが地域別に7つの会社へ分割された際に、アメリカ東部エリア(ニュージャージー州やペンシルバニア州、ワシントンD.C.など)を受け持った「ベル・アトランティック」が前身で、同業買収などを経て2000年に現社名となった。 2013年にはイギリスのボーダフォン・グループ(VOD)と合弁で設立した無線通信会社「ベライゾン・ワイヤレス」を完全子会社化することで、無線通信を最大の収益源とする事業体制の基礎とした。2017年にはネット大手ヤフーを買収するなどメディア分野で成長を志向した時期もあったが、2021年に同事業からは撤退。現在は高速大容量通信「5G」の世界初の商用化で知られる無線通信のほかに、高速光通信網などを展開する固定通信事業を主な事業としている。
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大和証券 米国株執筆班