【50代に読んで欲しい本】大人だからこそ納得!共感度MAXの人間ドラマ4冊
文芸評論家とライター、担当編集者がこの1年間に出版された本で最もおすすめしたい本を、忖度なしで厳選!大人の女性が「共感度MAX」と思う4冊とは? 【写真】50代女性に読んでほしいおすすめ本
『娘が巣立つ朝』
■娘の婚約者家族にとまどう夫婦の危機 伊吹有喜 文藝春秋 ¥1,980 「娘・父親・母親それぞれの気持ちがわかり感情移入。彼らとともに解決策を考えてしまう」(K野)。高梨家のひとり娘の婚約者は“セレブ”。結婚話が進むうち両家の違いが明らかになるが、高梨夫婦の問題も浮上してくる。
『シェニール織とか黄肉(きにく)のメロンとか』
■女3人、楽しく食べれば昔に戻る! 江國香織 角川春樹事務所 ¥1,870 作家の民子、退職してイギリスから帰国した理枝、主婦の早希。親友3人が再会し、食べて語らうが、個々の日常には悩ましいことも。「気遣いを素直に受け止めない高齢の母にモヤる民子の気持ち、よくわかる!」(山本)。
『方舟(はこぶね)を燃やす』
■口コミ、SNSの情報……どこまで信じる? 角田光代 新潮社 ¥1,980 「何かを信じたり伝えたりすることのむずかしさを痛感」(山本)。’67年生まれの飛馬と’50年ごろ生まれた不三子。終末論やカルト宗教がそばにあった時代のふたりの歩みを描きつつ、人を翻弄しがちな噂や情報について鋭く問う長編。
『墓じまいラプソディ』
■墓への意見の違いが家族の火種になる!? 垣谷美雨 朝日新聞出版 ¥1,760 61歳の五月は義母の死を機に夫の兄姉と先祖代々の墓について話し合うが、無頓着な発言で周囲を凍りつかせる。「夫婦別姓カップルの場合など、今どきの墓問題も。笑いながら自分のこととして読んでしまう」(細貝)。
撮影/神林 環 スタイリスト/洲脇佑美 取材・原文/山本圭子 ※エクラ2024年9月号掲載