ランボルギーニ、LMDhプログラムの将来性を評価「あらゆる選択肢があり得るが、継続が目標」プログラム廃止も否定せず
ランボルギーニは2025年に向けてLMDhプログラムを縮小し、世界耐久選手権(WEC)かIMSAスポーツカー選手権どちらかに参戦するようだ。 【ギャラリー】ひと目で分かる”ランボルギーニ”感! 2024年からWECとIMSA投入のLMDh車両『SC63』が登場 両シリーズでアイアン・リンクスとチーム提携を結ぶランボルギーニは現在、SC63 LMDhプログラムの見直しを行なっている。 ランボルギーニのチーフテクニカルオフィサーであり、モータースポーツ部門を率いるルーベン・モア曰く、プログラムを完全に中止することも含め、全ての選択肢が検討されているという。 モアは、来季からWECハイパーカークラスでは各メーカーとも2台体制することが義務付けられたことが、プログラム再評価の理由だと説明した。 「現時点では、来年に向けてあらゆる機会を調査しているところだ」 motorsport.comに対してモアはそう語った。 「我々にとって最大の問題は(WECでの)2台目のマシンが想定されていなかったことだ」 「2台目のマシンを適切な方法でサポートすることは、我々の会社にとって大きな問題だ」 「我々の願いは、IMSAに(フルシーズンで)1台、WECに1台で参戦し続けることだった」 「我々は現在、WECで2台、IMSAで1台をマネジメントする方法を見つけるか、どのプログラムを運営するか決めなければならない状況にある」 モアは今後の決断について「我々が用意できるパッケージ次第」だと語り、「結局のところ、そこに疑問符がついている」と続けた。 そしてLMDhプログラムを終了させることが最も可能性の低い選択肢なのかと尋ねられたモアは「イエス、もちろんだ」と答えた。 「あらゆる選択肢があり得ると言えるが、我々の願いであり明確な目標は継続だ」 そう説明したモアは、ランボルギーニがフォルクスワーゲン・グループの一員であるものの、WECのハイパーカークラスやIMSAのGTPクラスを戦う他マニュファクチャラーに比べれば小さな会社だと指摘した。 「我々はモータースポーツのこの分野ではかなり新しい部類で、他のマニュファクチャラーとは異なる」とモアは言う。 「(LMDhプログラムを管理するランボルギーニのモータースポーツ部門)スクアドラ・コルセは30人に満たない」 「以前はGT3をやっていたし、これは我々にとって新たなステップだ。1週間ごとに成長はできないよ」 こうしたモアの発言は、ランボルギーニの耐久レースへの考え方が少し変わったことを表している。 6月のル・マン24時間レースでは、ランボルギーニ首脳陣はWECで2台のマシンを走らせることの利点を強調した一方、同時にIMSAへの参戦継続を見送る可能性を示唆していた。 しかし先月、IMSAが来季グリッドを発表した際、ランボルギーニはエンデューロのみのエントリーではあるものの、2025年IMSAシリーズへの出場枠は確保されていた。 ランボルギーニがWECへの参戦を断念した場合、来年のル・マンへの参戦は不可能となるだろう。 アイアン・リンクスのアンドレア・ピッチーニ代表はmotorsport.comに対して、チームは来年WECに2台、IMSAに1台を走らせる準備ができていると語ったが、プログラムの将来についての質問はランボルギーニに向けられたモノだった。 なおピッチーニ代表はWEC最終戦を前に、アイアン・リンクスとランボルギーニはレース翌日の公式ルーキーテストに参加し、そのさらにその翌日に行なわれるミシュランの2026年タイヤ開発用テストにも参加すると指摘していた。 ただアイアン・リンクスの女性ドライバー向けプログラム「アイアン・デイムス」の一員であるセリア・マーティンとミシェル・ガッティングがマンタイ・レーシングのポルシェ811GT3-Rをバーレーンのルーキーテストで走らせていた事から、ランボルギーニとの関係が崩れているのではないかという憶測が広がることになった。 この件についてランボルギーニのモアはあまり深読みせず「ネガティブな解釈はすべきではない」としている。またモアはランボルギーニとアイアン・リンクスは「依然として提携関係」にあると主張している。 とはいえ、2025年に向けてアイアン・デイムスのプログラムが、ポルシェへと切り替える可能性はさらに確実性を増して来ているようだ。 なおモアはランボルギーニの決断の期限が迫っていること、そして決断に予想以上の時間がかかっていることも指摘した。 WECへのエントリーは、11月18日に締め切られる予定だ。
Gary Watkins