「ヨーグルト」は○だけど「飲むヨーグルト」は×…テレビが絶対に報じない"健康的"な飲み物の不都合な真実
■ヨーグルトを食べるなら無糖で 〈飲むヨーグルト、甘いカップヨーグルト〉 「ヨーグルトは健康にいいもの」と思い込んでいる人が多いでしょう。もちろん、腸内環境を整えるなどの健康効果は盛りだくさんなのですが、市販の「飲むヨーグルト」や「甘いカップヨーグルト」には、かなりの糖がプラスされていることを忘れてはなりません。 これはかなり大きな盲点ではないでしょうか。健康のためにヨーグルトを食べるのを習慣にするなら、ぜひ無糖のものを選んでください。 また、無糖ヨーグルトにハチミツをかけて食べる人も多いと思います。「砂糖がダメでもハチミツならいいだろう」と考える方が多いのですが、これも間違いです。ハチミツには植物由来の不純物や水分が混じっているものの、成分の約8割は糖質で、ブドウ糖と果糖の割合はおおむね1対1。砂糖とほぼ変わりません。 さらに、大さじ1杯のカロリーも砂糖35kcalに対してハチミツ64kcalとハチミツのほうが高く、かえって体重増加につながりかねないのでご注意ください。 〈甘いアルコール飲料〉 最近、アルコール度数を低く抑えた「ジュースのような甘いお酒」を飲む人が増えています。コンビニやスーパーにはいろんな種類の350ml缶カクテル・サワーが売られていますよね。それに、梅酒、あんず酒などの果実酒、甘酒、甘い日本酒やワイン……。 こうした甘いお酒には大量の糖分が含まれるうえ、アルコールの影響もプラスされて、肝臓にたいへん大きな負担をかけることになります。とりわけ、脂肪肝や糖尿病、肥満が気になる人は、甘いアルコール飲料に気軽に手を出すのは禁物だと思っておくほうがいいでしょう。 ---------- 尾形 哲(おがた・さとし) 肝臓外科医 長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医。医学博士。一般社団法人日本NASH研究所代表理事。1995年神戸大学医学部医学科卒業、 2003年医学部大学院博士課程修了。パリ、ソウルの病院で多くの肝移植手術を経験したのち、2009年から日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務める。さらに東京女子医科大学消化器病センター勤務を経て、2016年より長野県に移住。2017年スタートの「スマート外来」は肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来。著書に『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術』、『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす7日間実践レシピ』『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』(いずれもKADOKAWA)などがある。 ----------
肝臓外科医 尾形 哲