「我が国周辺でもウクライナ同様の事態が起きる可能性は否定できない」…吉田統幕長インタビュー要旨
「心理的安全性」が確保され、多様性のある「自由で開かれた自衛隊」こそ、これからの戦略環境に対応できると考えている。
最後に、やりがいについて。「現場感覚をしっかり持った上で、安全保障戦略の策定に関与したい」という入隊の動機は、部隊勤務や国家安全保障局(NSS)勤務を通じてかなった。中隊長、連隊長、師団長、方面総監、陸上総隊司令官という指揮官職は、自衛官でしか得られない貴重な経験だった。
現在、(自衛官の)最終ポストとして統幕に配置され、〈1〉複合事態への同時対処〈2〉統合運用体制の抜本的強化〈3〉同盟国・同志国との防衛協力の推進――という、防衛戦略の骨幹となる職務をやりがいあふれる仲間と果たしていける喜びは、何物にも代え難いと感じている。
よしだ・よしひで 86年東大卒。北部方面総監、陸上総隊司令官、陸上幕僚長。東京都出身。