【独自解説】“声を挙げた人”を保護する『公益通報者保護法』、死亡した元幹部職員には適用されず…なぜ守れなかったのか?兵庫県・斎藤元彦知事が下した“不適切な判断”を専門家が指摘
また、兵庫県の対応は適切だったかについて、日野教授は「知事は2度にわたり不適切な判断か」と指摘します。 まず、2024年3月27日、元幹部職員に対して人事課を中心に内部調査を進めていると発表した日に斎藤知事が強い言葉で叱責したことや、3月末に迎える予定だった元幹部職員の定年退職を取り消し、役職を解任したことです。日野教授は、「中立性の乏しい人事課が調査したこと」「告発者が特定されてしまったこと」「知事の“否定発言”と解任処分」が不適切だったと指摘。 そして、元幹部職員は県の公益通報窓口に通報を行い、担当部署が手続きを開始したにもかかわらず、その結果が出る前に、県が内部調査結果によって元幹部職員を停職3か月の懲戒処分としたことです。日野教授は、「公益通報担当部署の調査を待つべきだった」と指摘しています。
Q.まだ事実がどうか不明な段階で元幹部職員が処分を受けたことで、風通しの悪い・声を挙げにくい職場だという印象は拭えません。これをどうしていくかというのも、大きな課題ですよね? (日野教授) 「“声を挙げづらい”という制度にしてはいけないと思います。片山さんもおっしゃいましたが、『県の公益通報制度』では“県民の信頼を損なう恐れがあるもの”を通報対象としていて、“公益通報者保護法よりも幅広く受け付けます。だからこそ声を挙げてください”という制度にしているのですが、実際は調査もせずに処分したり、是正措置を待たずして処分したりというような、実務運用上の失態を指摘せざるを得ないと思います。そもそも、人事課の内部調査はあくまで人事案件であって、『公益通報』は是正をするかどうかの制度で、懲戒したり懲罰を与えたりという制度ではありませんので、そこをしっかり理解することから始める必要があると思います」
報道や情報に触れ、つらい気持ちになったら、『こころのオンライン避難所』ホームページにアクセスしてください。電話やLINEでも相談できます。一人で悩まず、まず誰かに相談してください。 (「情報ライブ ミヤネ屋」2024年7月22日放送)
【関連記事】
- 【動画】“パワハラ行為”“おねだり体質”疑惑の兵庫県・斎藤知事を告発した職員が死亡…今後の真相解明はどうなるのか?
- 【動画】斎藤知事「県政を立て直す」「信頼を再構築」“側近”副知事が辞職表明も、本人は改めて続投表明…果たして、今後の展開は?
- 【独自解説】都知事選の石丸伸二氏躍進から見る“維新の危機”「このままの状況を続けていたら維新は消滅してしまう」 “維新離れ”の理由とは?そして、今後の関西の選挙はどうなるのか?
- 【独自解説】新旧ファーストレディ“美しすぎる妻vs.韓国のイメルダ”疑惑バトル勃発!“行かなくてよかった”インド訪問で機内食に700万円⁉前例なき“同時捜査”に大激震
- 【独自解説】肌の露出・欧米主義に厳しい北朝鮮で今“シースルー素材”が大流行⁉そこには“ファッションアイコン”の存在が…専門家指摘「ファッションリーダーという構図を作るための“サクラ”」