「鳥肌」はなぜ存在するのか。寒さから身を守る?意味がない?“鳥肌研究”の解説で感服の鳥肌がたった
ーーどの部分に立たせている人が多いですか? 腕ですね。力を入れる感じの人もいますし、身体を動かした方が立てやすいという方もいます。 ■鳥肌からわかるかもしれない 未来のこと 意図的に鳥肌を立てられる人を集めて、どんなことを解明したいのでしょうか。 改めて、片平准教授にききました。 ハーバード大学の研究では、立毛の仕組みが毛の活性化に関わる可能性が指摘されていたり、他の研究では皮膚の構成要素として立毛筋が重要な可能性もあるともされていて、立毛筋が持つ色々な働きが解き明かされてきています。 まだ実現はしていませんが、意図的に鳥肌を立てる能力はこうした現象を研究することに役立てられるかもしれません。 ーー“意図的に立てられる鳥肌”のメカニズムを解明できると、具体的にどのように私たちの生活に影響するのでしょうか。 心理学者としては、鳥肌の研究によって人の心の働きを探求できるのではないかと言う点に着目しています。 確かに、鳥肌そのものはかつての機能を失った名残としての反応なのかもしれません。しかし、未だに恐怖や感動で鳥肌が立つということは、こうした強い感情が生じるメカニズムと鳥肌との間の関係が、今でも現役バリバリで私たちの中で機能しているということです。 そうだとすると、鳥肌の仕組みを調べることは、感動のような私たちにとって大切な心の働きを解明するための、言わば「覗き窓」になってくれるのかもしれません。そうした期待を持って研究を続けていています。 自ら鳥肌を立たせ、鳥肌を研究している片平准教授に感服の鳥肌が立った。 鳥肌は、私たちの知りえない役割を果たしているのかもしれない。 ================== 片平建史 早稲田大学 文学学術院 准教授 音楽心理学を出発点として、感性の心理学、感情心理学、社会心理学などに関心を広げる。感性工学領域の研究に従事するかたわら、情動性立毛、フロー体験といった研究もしている。
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