「鳥肌」はなぜ存在するのか。寒さから身を守る?意味がない?“鳥肌研究”の解説で感服の鳥肌がたった
ーー鳥肌は現代の人間にとって、あまり意味のない現象ということなんでしょうか。 そうですね。寒さから身を守るという役割は少なくとも、果たしようがないというところだと思います。 ■「寒さ」以外の役割は? ーー「寒さ」に関して、意味のない現象だということはわかりましたが、怖い話や生歌を聞いた時にたつ鳥肌は何なのでしょうか? 「感動して鳥肌が立つ」などの働きに関して、実は理由がよくわかっていないんです。ただ、毛を立てる以外の働きがあるのではないかと考えています。 ーー毛を立てる以外の働き…? 元々、寒冷刺激に対する反応だった鳥肌は、恐怖や感動を経験した時にも似たような仕組みを一部使う事で、鳥肌が立つようになったのかもしれません。 鳥肌が立つことと、怖さや感動などの感情が起きることが、人間の脳の中でどう結びついているのか。仕組みを解明することで、感動とはどのような反応なのかを明らかにすることができるかもしれません。 ■鳥肌を自力で立てることができる人がいるらしい!? 片平准教授は鳥肌の解明には「時間がかかる」といいます。 鳥肌が立っているときの脳の活動を調べるには、MRIのような機械で検査する方法などがあります。ただ、慣れない環境だと鳥肌は立ちにくく、データを集めるのは膨大な時間がかかるという事です。 そこで、片平准教授は「意図的に鳥肌を立たせることができる人」を集め、鳥肌が立つ時、脳の中がどう動いているのかを研究しています。 鳥肌は本来、自身でコントロールすることができない生理反応ですが、これまでの研究で、意図的に鳥肌を立てられる人が人口の約0.5%存在することが分かっていて、実は、片平准教授もその一人だということです。 ーーどうやって鳥肌を立たせるんですか…? 言葉では説明しにくいのですが、首をすくめるみたいな感じですね。首の後ろとか背中とかに意識を集中させたりする人も多いです。ゾゾゾという感覚があって、鳥肌を呼び込めるような…どこにどう働きかけているかは表現できないんですけども…