巨人・阿部慎之助監督(45)“辞意撤回”からの“覇権奪回” 「大物助っ人」だけではない「前監督」「中田」除外という好判断
松井も由伸もダメ…球団は流出阻止に躍起
プロ野球巨人は9月28日の広島戦(マツダスタジアム)に8-1で大勝し、4年ぶり39度目のセ・リーグ制覇を果たした。阿部慎之助監督(45)は就任1年目にして、昨季まで2年連続Bクラスに沈んでいたチームを一気に頂点へと引き上げた。編成面を含む全権を握っていた原辰徳前監督時代のような大型補強頼みの野球ではなく、球団史上初の捕手出身監督ならではの采配を原動力に勝ち進んだ。開幕前は阪神の2連覇を予想する声が多かった中で、大混戦となったペナント争いを制した手腕は際立っていた。球団創設90周年の節目で名門球団を鮮やかに復活させたサクセスストーリーの伏線は既に昨年から張られていた。 意外にも長嶋監督、王監督は5位タイ…では、1位は?【写真特集】プロ野球監督別リーグ優勝回数ランキングベスト10(1990年~2022年)
複数の球界関係者の証言によると、阿部監督はヘッドコーチだった昨季、一度は球団に辞意を申し入れたのだという。その一人が語る。 「不振の責任を取ってナンバー2であるヘッドが引責辞任するというのは巨人ではよくあることでした。ただ、阿部監督の場合はそれだけが理由ではなかったようです。新任のデーブ(大久保博元打撃コーチ)とは攻撃面の意見が合わなかった上、原監督の存在が大き過ぎたため、各コーチが自分の担当部門の数字をアップさせることしか考えていないような雰囲気にも嫌気が差し、一度外から野球を見ることを決意したとのことです」 確かに原監督は、V9の川上哲治氏や「ミスタープロ野球」長嶋茂雄氏を超え、巨人監督史上最多の勝利数を挙げた名将だった。三顧の礼を受け、2019~23年の3度目の監督就任と相成った。巨人はしかし、将来の監督候補として帝王学を施してきた人材の流出を阻止することを優先した。 「(阿部監督には)24年から監督に就任させることで、引き留めたと聞きます。以前から松井(秀喜)は監督就任のタイミングが合わず、由伸(高橋)も監督復帰に難色を示していました。次の監督候補が限られる中で、球団が大事な人材(阿部監督)を失うことは何としてでも回避したかったのでしょう」(別の球界関係者)