千葉県知事選 現職の熊谷知事、12月議会閉会後に態度表明へ 自民は独自候補見送りか
来年3月に任期満了に伴う千葉県知事選が迫るなか、熊谷俊人知事は再選出馬するか態度を表明していない。21日の12月定例県議会代表質問への答弁でも一切、触れなかった。12月11日の閉会日以降に記者会見し、表明するとみられる。前回の令和3年知事選で推薦候補が大敗した自民党内には独自候補擁立の見送り論が強まっており、熊谷氏の「再選出馬」を前提に対応を急ぐ。 ■立民県議が再選出馬促す この日の代表質問。熊谷氏は1期目の県政運営での「成果」を列挙してみせた。企業誘致の成功や多様性尊重条例の制定…。「大きく歩みを進められた」と自賛した。災害対応など今後の課題解決には「県として取り組む必要があると認識している」と述べた。 代表質問には自民党の武田正光県議と立憲民主党の高橋浩県議が順に登壇し、知事の政治姿勢をただした。だが、熊谷氏が前回知事選で掲げた公約の達成状況や1期目の総括を確認する内容にとどまった。次期知事選の対応に関する質問はあえて避けた。 複数の関係者によると、知事サイドから事前に、「知事選に関し質問されても答えられない」といった趣旨の内容が伝えられていたという。「そもそも、知事は特定の会派からの質問に対し、自身の態度を表明するやらせ的な手法を望まない」(ベテラン県議)という事情も絡む。 それでも、立民の高橋氏は質問の締めくくりで「最後に…」と切り出し、熊谷氏の新著『千葉と守る』を引用した。一部を抜粋して読み上げ、再選出馬を促した。 「県のさらなる課題解決には熊谷知事のリーダーシップがどうしても必要だ。次の4年間への思い、ビジョンを近いうちに示されることを期待している」。だが、熊谷氏は表情一つ変えなかった。 ■自民「自主投票」の声も 一方、自民党には「諦めムード」(県連関係者)が漂う。この4年間、熊谷氏とは是々非々の立場を基本とし、県民の暮らしに直結する課題には「要望書」を提出するなど良好な関係構築に腐心してきた。 知事肝いりの「多様性尊重条例」の採決では会派の一部に反対・棄権を出したが、賛成に回るよう根回しを徹底させた。