エース負傷の兵庫・市尼崎、4大会ぶり4強 2年生アタッカー奮闘 春の高校バレー
「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第77回全日本バレーボール高校選手権(フジテレビ、産経新聞社など主催)は7日、東京体育館で3回戦と準々決勝が行われ、市尼崎(兵庫)は前回準優勝の福井工大福井を退けて4強入りした。 【トーナメント表】第77回春高バレーの男女別組み合わせ 緊急事態を乗り越えた市尼崎が、4大会ぶりに4強へ駒を進めた。昨年12月に負傷したエース宇原光(3年)がコートに立てない中、試合を重ねるたびに強さを増し、準々決勝では前回準優勝の福井工大福井にストレート勝ち。藤原和典監督は「尻上がりにチームがかみ合ってきている。人任せにしなくなった」と選手たちの成長をたたえた。 準々決勝で気を吐いたのはハントラクル星夏(せな、2年)。「監督に自分が『チームの顔』といわれてきた」。1年生からレギュラーをつかんだ187センチは第1セット序盤から強打を重ね、第2セットに3連続失点で12-13と逆転を許した場面では、タイムアウト明けに同点に追いつく鮮やかな時間差攻撃。「最後に(セッターがトスを)持ってくるのは自分。取り切ったからこそ、仲間もついてきた」と力強かった。 2回戦で敗れた前回大会後、主将だった兄のハントラクル望海(のあ、現関学大)から「お前はあと2年ある。その2年でバケモノになれ」と発破をかけられた。「まだ60~70%。なり切れていないが、明日からバケモノになるイメージをしている」。威勢のいい2年生アタッカーがチームを15大会ぶりの決勝に導く。(奥村信哉)