民間ロケット市場の改革へ 堀江貴文氏が会見(全文2完)ディープスペースに行けるロケット開発も
宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(北海道大樹町)の創業メンバーで、同社の取締役を務める堀江貴文氏は15日午後、都内で記者会見を開いた。 【動画】民間ロケット市場の改革へ 堀江貴文氏が午後1時から記者会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「民間ロケット市場の改革へ 堀江貴文氏が午後1時から記者会見」に対応しております。 ◇ ◇
新ロケットにゼロ戦と同じ名前を使うのは意図があるのか
記者1:特攻隊が使っていた飛行機もゼロ戦という飛行機だったんですけど、それは意図的に同じ名前を使っているのか、もしくは偶然ということでしょうか。何か意味はありますでしょうか。 堀江:たぶん全然違っていて、僕がそれこそ長野に2年間バカンスに行ってたっていうご紹介いただきましたけど、そのあとに6年前に書いた本の名前が『ゼロ』でして、ゼロから1をつくるっていうことがいかに難しいか。で、どんなに人間は失敗してもゼロにしかならない、マイナスにはならないみたいなお話を書いている本があるんですけど、これはベストセラーになって、ここからわりと付けられている名前だと思います。
再利用できるロケットの開発も検討しているのか
記者2:デンマークの記者です。SpaceXが非常に有名になったのが何回も利用できるロケットの開発、再利用できるロケットの開発、そしてその技術ということなんですけれども、Blue Originも確かそういったような開発をされているというようなこともいわれています。コストの削減というのは非常に大きな理由なんですけれども、将来的にそういったことも検討されていますでしょうか。 堀江:いい? 俺から。コストの削減にリユーザブルロケットはそんなに寄与しないというふうにわれわれは考えていて、なぜなら1つの理由として、使い捨て、今の主流であるディスポーザブルのロケットっていうのは大量生産が可能なんですね。打ち上げを例えば年に50回とか100回とかやると、例えばエンジンになるとうちの軌道投入機で1回につき10個使うんで、例えば1000本とかのロケットを生産できるようになるとわりと量産効果が効いてきて、ロケットエンジンの製造コストとかそういったものは安くなると考えています。 たぶんみんな、世界最大の失敗作といわれるロケット、スペースシャトルのことをすでにもうお忘れのようですが、当初スペースシャトルもリユーザブルにして、ものすごい大きなコストダウンができるというふうに喧伝していたはずなんですけど、ふたを開けてみたら使い捨てのロケットよりもめちゃくちゃコストが上がって、安さという意味では使い物にならなかったという事実があります。 なぜ再利用ロケットがコストダウンできないかっていうと、1つは何回も使うので頑丈に造らなければいけない。頑丈に造らなければいけないということは重くなるっていうことなんで、その重いのを打ち上げるために性能を上げなければいけない。性能を上げようとすると技術的に結構難しいところがたくさん出てきて、高い部品もたくさん使わなければいけない。 しかもリユーザブルなので量産できない。ロケットなんてたぶん10本もあれば何回もそれを繰り返して使うんであれば、もうそれ以上製造する必要がないので、1点1点たぶんすごく高くなる。さらに再整備のコストが、1回打ち上げるごとにロケットを、たぶんオーバーホールして検査をしなければいけないので、再整備のコストもすごく重くなる。なので、あまり安くならないというふうに僕たちは考えて、せいぜい3分の1ぐらいのコストにしかならないと思っています。 彼らはコストダウンのために再利用をやっているのではなくて、おそらくですけど、SpaceXは火星探査を予定していますし、Blue Originは先日、月の探査を発表しましたけど、そのときにリエントリーっていって、火星とか月に着陸をしなきゃいけないんですけど、そのときの技術とすごく似ているんですね、あの技術って。たぶんその技術を習得するためにそういったことをやっているんじゃないかなとか思っています。