ウチの親、そろそろ介護が必要? 電話でも確認できる5つのチェックポイント
先月は敬老の日がありました。コロナ禍でしばらく顔を合わせていない遠方に住む両親と、久しぶりに電話などで会話をしたという方も多いのではないでしょうか。 実は、そういった些細な会話の中で、高齢の両親の心身の状態を知っておくことが何より大切だそうです。正しく状況を把握し、介護が必要になる「予兆」を掴むためにはどうすればいいのか。気がかりなことがあったら、どこに相談すればいいのか。介護の専門家である高野龍昭(たかのたつあき)氏にお話を伺いました。(Yahoo!ニュースVoice)
両親の介護、何歳から必要?
一般的にメディアで報道される「高齢者」は65歳以上を指すことが多いですが、65~69歳の方で介護が必要になるのは、全体の約2~3%とかなり少数派です。ところが、75歳~79歳になると、約12~13%程度に上昇してきます。85歳になると、約50%にまで達してしまいます。 ですから、両親が70代半ばになれば介護が必要になるのは当然のことで、何もおかしなことではありません。早い段階から、介護について前向きに捉えておいたほうがいいと思います。
ある日突然「要介護」になるわけではない
介護が必要となる原因として一番多いのは、やはり「認知症」です。二番目は「脳血管疾患」で、いわゆる脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などです。そして三番目は、「高齢による衰弱」になります。 この三つの中で、特に認知症を恐れている人は多いでしょう。しかし、認知症はある日突然始まるものではありません。何か月、あるいは何年もかけて、徐々に重度化していくということが一般的です。 また、高齢による衰弱についても、ある日突然寝たきりになるということは普通ありません。だんだんと生活の状況が変化していく。内向きになり、外に出られなくなる。活動性が乏しくなっていく。そうして、長い時間をかけて衰弱していってしまうのです。 私がここでお伝えしたいのは、介護が必要な状態になる前に、必ず「予兆」があるということです。予兆を早めに掴んで対処をすることで、進行を緩やかにすることができる。あるいは元に戻すことができると、医療・公衆衛生の分野の研究で明らかになってきています。