音楽家夫妻、パリとの二拠点生活は田舎の家で。築340年超の古民家に惚れ込みセルフリノベ、古家具が似合いすぎる空間に パリの暮らしとインテリア[19]
「物件を比較検討する中で、フェリエール・アン・ガティネという中世の街から程近い集落にある、この家を訪問しました。その時、庭の奥にある納屋がたくさんのイマジネーションを掻き立ててくれて。ここでコンサートをするのもいいね、詩人を招いての朗読会やディナーも楽しそう、などなど夢が膨らみ、購入の決め手となりました」と、まどかさん。
ご縁が導いてくれた、広大な敷地を持つ一軒家
「1680年から何度も増築、改築されてきた古い家なので、その歴史の中では音楽家が住んでいたこともあったとか。そして偶然にも、私たち夫婦も音楽家です。この家を紹介してくれた不動産屋さんは、そんなご縁を重要に感じ取ってくれたようでした。 実は、私たちの他にも購入希望者は何組かあって、私たちのオファーの金額よりも高い金額で申し入れる人たちもいたようです(フランスでは購入する前に売り主が提示する価格に対して、自分たちの希望購入額を提示することができます)。それなのに不動産屋さんは私たち夫婦を応援してくれて、オーナーを説得してくれたのです。他の購入希望者よりも低い金額を提示していた私たちがこの家の持ち主になったのですから(そんなことがあるとは!)、本当に不思議なご縁を感じます。この家の持ち主になったというよりも、この家の長い歴史の一節に寄り添う存在、そんな気がしています」
まさにご縁。何はさておき高く売りたい不動産売買の現場で、こんなに良い話を聞いた人がいるでしょうか? こうして縁あって住むことになったこの家を、まどかさんとフレデリックさんは自力でコツコツとリノベーションしました。まず、サロンの真ん中にあった4本の柱と、その下にあった暖房器具を壁側に移動させて、60平米の広々とした空間をつくりました。グランドピアノを置いて、ここに大勢の友達が集まれるように。 「私もそうですがフレデリックにも、人が集う場所をつくりたいという気持ちが強くありました。また、空間を流動的にして、家の外と中がひとつながりのような、庭の緑を家の中に取り込むような、そんなインテリアにしたいとも思っています。音楽家だからでしょうか、音と同じように、光でも香りでも空気に何かが乗ってゆく、その感じが好きなので」
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