スーチー氏顧問の命を救ったミャンマー元警察官が語る民主化への思い。クーデターに抵抗し、日本で難民認定
選挙の際、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)には投票するなと、上司は私に圧力をかけてきました。私は上司の言葉を無視して、こっそりNLDに投票しました。 ■民主主義を取り戻すうえでの日本への期待 ――日本での生活基盤を確立するうえでの苦労は。 当初は言葉も文化も分からなかったので大変でした。今は日本での生活にだいぶ慣れました。難民認定されたことで、精神的にも安定しました。日本語の勉強にも励んでいます。
――日本を含む国際社会に望むことは。 日本を含む世界の国には3つのことを期待したい。 1つ目としてミャンマーからの難民を受け入れ、定住の場を提供してほしい。2つ目としては、民主派勢力が結成した国民統一政府(NUG)への支援を強化してほしい。そして3つ目として、残忍な軍事政権へのいかなる支援もやめてほしい。 日本はミャンマーの軍事政権に圧力を加えることができる主要な国の一つです。軍事政権にとって、円借款をはじめとする日本からの政府開発援助(ODA)がなくなると困ると思います。日本ははっきりと姿勢を示してほしい。
岡田 広行 :東洋経済 解説部コラムニスト