遺産格差の実態…親の遺産が「数百万円」なのは少数派でしょうか?
親からの最後の贈り物でもある遺産について、金額の問題ではないと分かっていても、周りと比べてしまうこともあるでしょう。自分が受け取った金額の数倍の遺産を受け取ったという話を耳にすれば、「自分の相続額は極端に少なかったのでは?」と感じるかもしれません。 また、ネットニュースなどで一部の事例に触れる機会はあっても、日常生活で話題に上る機会は限られるため、一般的な金額を把握しにくいものです。 そこで今回は、相続財産の平均額や分布などについて解説します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
相続財産の平均は約2600万円、中央値は1000万~2000万円
株式会社鎌倉新書が運営する情報サイト「いい相続」が行った、「【第2回】相続手続きに関する実態調査(2024年)」によると、相続財産の全国平均額は2585万8000円、中央値は1000万~2000万円です。ただし、1都3県に限定した平均額は2996万6000円、中央値は2000万~3000万円であり、地域差があることが分かります。 なお、上記調査の対象は、「いい相続」経由で専門家と無料面談を行った人などです。相続財産がない人は、相続の相談をする機会も限られると考えられるため、平均額が実態よりも高くなっている可能性がある点にご注意ください。
相続財産1000万円未満は全体の42%
同調査によると、相続財産の分布は次の通りです。 ・1000万円未満:42% ・1000万~2000万円未満:14.6% ・2000万~3000万円未満:12.7% ・3000万~4000万円未満:10.8% ・4000万~5000万円未満:7.2% ・5000万円以上:12.8% 「1000万円未満」が最多ではあるものの、50%を下回っています。したがって、「1000万円未満」「1000万円以上」で分類した場合には、「1000万円以上」の方が多数派といえるでしょう。 この傾向は1都3県に限定した分布でも同様です。ただし、「1000万円未満」は28.4%と、全国の数値を約14%下回ります。